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店長青山です、まずはこちらの動画をご覧ください。

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この写真はある男性がこれから履く革靴の靴ひもを締めている様子を撮影したものです。あなたにはこれからこの男性についてのプロファイリングをして頂きます。あなたが手掛かりとできるのはこの写真一枚のみです。

想像してみて下さい。

あなたは今、迷宮入りした事件についてスコットランドヤード(ロンドン警視庁)からの依頼を受けた名探偵シャーロック・ホームズと行動を共にしています。

事件を解くカギが革靴にあると導き出したシャーロック・ホームズは革靴のスペシャリストであるあなたに捜査への協力を依頼してきたのです。この迷宮入りした事件を解決できるかどうかはこれから行うあなたのプロファイリングにかかっています。

これから質問する内容に対し、この画像から読み取れる事として「A」もしくは「B」のいずれかを解答して下さい。そしてそれを判断した理由を述べて下さい。

では問題です。

この男性が革靴に対して持つ知識レベルを判断してください。

(A)革靴対しての知識が初心者レベル
(B)革靴の知識が中級者、もしくは上級者レベル

そしてその解答を選んだ理由を述べて下さい。

名探偵シャーロック・ホームズが解決の手掛かりになると踏んだ、この男性に対する見解をホームズに伝えて下さい。

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それでは、この後答え合わせを行います。

今回 ご紹介するトピック

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正解は(A)です。

ここで、大切なのは「答えが合っていたのかどうか?」ではなく、その解答を導きだした根拠です。

なぜあなたはそのようなプロファイリングを行い、彼が革靴に対して初心者レベルだと判断したのか?明確な理由をシャーロック・ホームズに伝えなければいけません。

ではこの理由についてお伝えして行きます。この写真の男性の足首の角度に注目して下さい。

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この写真を見ると足首の角度が90℃よりも開いている事が解ります。かかとの位置が膝よりも体の前方に投げ出された状態です。

「なぜこれが初心者レベルの行いなのか?」

シャーロック・ホームズがあなたに質問をしてきました。ホームズに説明するため、あなたはホームズと一緒に立ち上がって実際にこの状況を2人で再現します。

まず、立ち上がって普通に直立します。

そして右足を前に一歩踏み出して、地面についたカカトが膝よりも体から前方に位置するようにします。

カカトをその位置のまま爪先を地面にぴったりと付けてベタ足になります。

これでこの写真の状態が再現されました。

では今度は反対側の左足を前方に踏み出してこの右足と同じ状態を作り出します。それを交互に繰り返しながら前に向かって歩いて行ってください。

どうでしょうか?

シャーロック・ホームズは納得しました!

「これでは普通に歩行ができない!この足首の角度は歩いている状態から止まる際の足の形を再現したものだ!」

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そうです、

(A)の足の角度は普通に歩行している状態から歩くのをストップする時の足首の状況を表しています。

人間が歩く時、革靴に最も負荷がかかるのは靴が地面についている状態です。歩行の際にはおよそ体重の1.5倍の力が靴にかかります。

人間は前方に向かって歩行する際、かかとが膝より前に出た状態で爪先を地面につけながら歩きません。

前方に踏み出して膝よりも前に出たがかかとが地面につく際、爪先はどういった状況でしょうか?

そうです、

斜め上に向かって上がっています。爪先が地面にべったりと着く時にはすでに体重移動が行われています。

足首の角度は直立した際と同じぐらいになっているはずなのです。

あなたはシャーロック・ホームズに説明します。

「革靴に対する知識が中級者・上級者以上の者であればこのような角度で靴ひもを締める事は絶対にしません。

必ず、足首を直立した時と同じような角度にしてから靴ひもで革靴を足にフィットさせます。

そして足のサイズが変化する状況に合わせて一日に複数回、靴ひもを締め直すのです。

朝出かける時、ちょうど昼休みの時間帯くらい、夕方になってから。そして家に帰宅する際。最低でも3回くらいは靴ひもを締めなおすのが革靴の知識に対する中級者以上の方の常識です。

ヨーロッパの方であれば靴ひもを締め直すのは一般常識かもしれませんが。」

シャーロック・ホームズはあなたの示したプロファイリングの結果を持ち帰り、その後この迷宮入り事件を解決しました。

いかがでしたでしょうか?

今回の写真では、現在あなたが革靴に対してお持ちになっている知識のレベルも判断できたと思います。

もしあなたが今回のプロファイリングで正しい答えを導きだせなかったのであればあなたの革靴に対する知識レベルは初心者レベルなのかもしれません。

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しかし、実際には自称、革靴の上級者の方でも意外にこのような靴ひもの締め方を行っているのを見かけます。

「俺は革靴に関しては詳しいよ?過去30年間履いてきてるし、40足ぐらい革靴持っているからね。」

と、言うような人でも試着をしているのを見ているとこのような靴ひもの締め方をしているのです。そういう方を見るとついイメージしてしまう事があります。

「箸の使い方が汚い自称グルメ」

です。

美食家の方は美味しい物をたくさん知っているでしょうし、3つ星レストランで高級な料理を数多く味わってきているでしょうし、かなり繊細な違いまでわかる味覚をお持ちの事でしょう。

しかし、自分から食通とかグルメを名乗って気取ってるだけに「箸の使い方が汚い」のはかなり痛いです。見ているこっちが恥ずかしくなります。味にはうるさいかもしれないけど、食という文化に対するレベルが低い。

革靴も一緒です。

「オールデンがー、 」とか「コードバンがー、」 とか「履き心地ガー」とか「なんなら革靴、俺が教えてやるよ?」風に語っちゃっていながら足を前に投げ出して靴ひもを結んでたりします。

他人に対して知識を振りかざす「自称」革靴上級者の方の中にいます。

「え???その足首の角度で靴を固定しておきながら履き心地を語っちゃうんですか?」

って、思いますよね。

「履き心地も何も、まず、最初から革靴をちゃんと履けてないでしょ?」

って感じます。

確かに革靴はたくさん持っているかもしれないし、靴に対する知識もあるかもしれないし、靴磨きの技術も素晴らしいものをお持ちなのでしょう。

でも、「革靴を履いて歩く」という人間の動作に対する理解に乏しい。

もちろん革靴の初心者の方でしたら仕方ないと思います。これまでに教えてくれる人が誰もいなかったら、知りようがないですから。

なので、もしあなたが今回のプロファイリングできちんとした答えを出せなかったのであればこの講座は正にあなたの為のコースになります。

それでは「あなたの革靴が足に合わない2つの理由とその原因 簡単な3つの対処方法」をお伝えしていきます。

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あなたが学べる事は次の4つです。

1、革靴が足に合わない主な理由を知る

2、足が痛くなる事を未然に防ぐ方法を学ぶ

3、不具合が出た靴に処置する3つの具体的な施策を習得する

4、革靴の履き心地を向上させる方法を選べるようになる

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こちらの内容を学ぶにあたって必要な前提条件ですが、

1、これまでに革靴を履いた経験がある

2、自分自身の革靴を持っている

3、これから革靴の購入を検討している

などです。

要はこれまでに革靴を履いた事がある、今現在履いている、これから履く予定があるという方が対象です。革靴を履いた経験もない、履く予定もないという方には必要のない話となる事でしょう。

また、これからお伝えする内容は基本的に「革靴の知識に乏しい初心者の方」を対象としています。すでに革靴に対する知識をお持ちの中級者の方、上級者の方にとっては簡単すぎる内容となるかもしれません。

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今回、こちらの内容をお伝えするのは【Udemy】講師の青山健一です。

1990年に創業し、2019年の4月で三十年目に入る古着屋ガレージセールの二代目オーナーとなります。

古着屋なのになぜ革靴について話をするのかと言うとアメリカのビンテージ古靴を主に扱う、革靴に特化した品ぞろえの店舗だからです。これまでに2000足以上の中古革靴を一人で販売してきました。

また、当店ではシューケア用品【M.MOWBRAY】の正規販売店も行っています。ですので、革靴の手入れに関する情報や経験も備えています。この講座は現場で培った経験を基にした、机上の空論ではない生の知識をお伝えするものとなります。

革靴が足に合わない、しっくりこないという状況leather-shoes-fitting-5

このセクションでは『革靴が合わない、しっくりこないのはどういった状況なのか?』について解説していきます。あなたもこれまでに革靴を履いた経験があるならば

「足の外側の部分が靴に当たって痛む」

「カカトの上の部分が擦れて皮が剝ける」

「靴が大きくて足が靴の中で動く」

「歩く度に『ぱかぱか』とかかとが抜ける」

このような状態を経験した事があるかもしれません。これはどのような事が原因なのかというと大まかにざっくり言えば2つの原因が考えられます。それは

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●足に対して靴が小さい(革靴に対して足が大きい)

●足に対して靴が大きい(革靴に対して足が小さい)

という原因です。あまりに分かりきった事を言われてがっかりしましたか?

しかし、ここでお伝えする「大きい、小さい」というのはあなたが「これが自分の正しいサイズだ」と革靴を選んだ上で生じてしまった違和感の事を指しています。

小さな子供がお父さんの革靴を履いた時のようにバカバカだったり、足を入れる事すら苦労するようなキツキツの状態を言っている訳ではありません。あからさまに「足に合わない」と感じるようなわかりやすいサイズの違いではないのです。

あなたが革靴をお持ちだった場合、恐らくはその品を「履く事が可能である」と判断したから購入されたはずです。にもかかわらず、痛みや違和感が生じてしまった。そうですよね?

なので、これからお伝えするのは基本的に表記サイズは自分に合っているはずなのに違和感を感じる革靴についての内容です。

これまでの経験上、革靴の初心者の方ほど

「正しく選んだつもりの革靴に『大きい、小さい』という結果が出る、そして履き心地に違和感を感じる事がある」

という現実的な問題を理解していないように感じます。

自分に合っているはずのサイズを選んだはずなのになぜ、そのような問題が発生してしまうのか?

これから詳しくお伝えして行きます。まずは革靴の素材の特性からくる原因です。

同じ靴を二足新品で購入しても痛くなる靴が出てくる理由leather-shoes-fitting-7

例えばです、あなたが「新品で全く同じ革靴を2足購入した」としましょう。ブランドも一緒です、形も色も一緒です、もちろんサイズも値段も一緒。全く同じ新品の革靴を2足購入しました。そしてその靴をローテーションして交互に履いたとします。

普通に考えたら同じような履き心地になって行くはずですね?そうですよね?だって同じ新品の革靴から履き下ろしたのですから。

しかし現実はそうなるとは限りません。一方の「A」の革靴は心地よく履けているのにもう一方の「B」の革靴は違和感を感じる事があるのです。不思議です。

全く同じサイズで作っているはずなのになぜそのような事が起きてしまうのでしょうか?それは、革靴の素材が「天然皮革」という点にあるのです。

革は動物の皮膚であり全てに個体差があるleather-shoes-fitting-8

同じ革靴を選んでいるのに、履き心地に違いが出てきてしまう原因。それは革靴を形成している素材が元々「動物の皮膚」という事に由来します。

人間の皮膚や女性のお肌で考えてもらえればわかりやすいと思いますが、人それぞれ肌の質は違います。

きめ細やかな肌の人もいればガサガサの皮膚の人もいるし、しっとりもちもちした肌の人もいれば、日に当たるとすぐに赤くなってしまう人もいます。動物はそれぞれの個体で肉体の特徴が違うのです。

革靴の場合、一般的には牛の革が使用される事が多いと思います。

ちなみにですが、革製品として市場に出回る牛の革は基本的に、食用として流通するお肉の為の副産物として出たものが使用されています。

食肉用として安定的に需要がある牛や豚などの動物の革は副産物としても常に一定量の供給があるので価格も安定しやすいです。逆に食用ではない動物の革は高価になる傾向があります。

話が少しそれました。牛さんの革の話でしたね。牛は身体が大きいので革としても取れる面積が大きいです。なので、革製品も作りやすい素材なのですが、とは言っても動物なので個体差があります。

皮膚の繊維の密度は牛の個体によって、または革を取る場所によって変わってきます。ものすごく厳密に言えば全く同じ繊維の密度、並び方、質の革は存在しない事になります。

この繊維の密度や並び方などが違う革を使用して靴を作ったらどうなると思いますか?

右足と左足で革の曲がり方が微妙に違ったり、靴によってはシワの入り方が全然違うという結果が生まれる可能性があるのです。全く同じ革靴を購入しても履き心地に違いが出てくる原因です。

高級な革靴や昔のビンテージが良いとされる由来good-vintage-shoes

高級な革靴というのは、革固有の違いによる差がでないように靴を作る際には極力同じような部位を使用して製作します。似たような特徴を持つ部分の革を厳選して右足と左足をつくるので左右で極端に違うという事がありません。

しかし、今は大量生産、大量消費の時代です。大切に長く履いてもらえる革靴、というよりは安くたくさん製造するというコンセプトで作られた品があふれています。

履きつぶして終わり、使い捨て、のような革靴です。そのような靴に使用されている革は大量に必要とされるため質が均一化されていません。

革が均一でないという事は履き心地にも差が出てくる、という事になります。同じサイズの新品の革靴でも痛くなる靴とそうでない靴が出てくるという結果になってくるのです。

アメリカのビンテージ革靴に興味がある方だったらこのような話を聞いた事があると思います。「昔の革靴の方が革質が良い」という話です。

1990年以降、アメリカのシューメーカーも靴の生産拠点をアメリカ国内からインドやメキシコなど海外に移行しました。安く大量生産するためです。その為、革の質がMADE IN USAの時代の物より落ちてしまいました。

かつてのアメリカ製革靴を知っている人たちからしてみると「昔の革靴の方が革質が良い」という事になります。

これは大量生産の為、より良い部分の革を使えなくなった、質の均等な革を使用できなくなった事が原因となっているのです。

革の個体差から感じる違和感

このように丁度良いサイズを選んだつもりでも靴によっては足に当たる部分の革が固かったり、シワの部分に圧迫されて痛く感じる事もあります。

それはもしかすると動物の皮膚という天然素材からできた革の個体差によるものかもしれません。同じ品でも心地よく履ける靴とそうでない靴が存在する可能性があるという事です。

とても乱暴な結論なのですが、革靴は実際に履いてみないと解らない事もある、という話なのです。その点を理解した上で痛みを感じたり違和感が出た場合には個別に対応するようにして下さい。

革靴の初心者ほど陥りやすい間違った認識

そしてもう一つ、革靴の初心者の方ほど陥りやすい間違いがあります。それは

「探せば自分の足にぴったりとくる革靴が見つかる」

という誤解です。もちろん、たくさん探せばそれなりに履きやすい革靴が見つかる可能性は高まります。

でも、「完全にぴったりとくる革靴」を探して見つけようとするのは無理があります。それはなぜかというと人間の足は機械ではないので右と左で大きさ、形、感覚などに違いがあるからなのです。

人間のパーツで左右あるものは全てそうなのですが、目や耳、手とか足は右と左で若干形や大きさが違います。

ただ、たまに恐ろしいほど顔のパーツが左右同じ形、バランスの良い人が中にはいますね。そのような人はシンメトリーな見た目なので他人からは整った顔立ちの美しい人と認識されます。

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しかし人間はロボットではないので基本的に左右対で存在するものに関しては微妙に形が違います。足の大きさ、長さにも多少の差がでてきます。

ここで考えてみて下さい。一般的に販売されている既成の革靴についてです。

当然ですが市販されている革靴は左右対称に作られています。完全にシンメトリーで製作された工業製品が革靴です。

と、いう事はその革靴を履くとどういう結果になるのでしょうか?

そうです、もしあなたの足がどちらかの革靴にぴったりと合うのであれば、反対側の足は必ず多少ズレるという結果になります。革靴は必ず左右シンメトリーに製作されているからです。

もしあなたの足が完全に左右対称の形でなければ必ずズレる事になります。でも、基本的に人間の足のサイズは左右違っているのが普通です。なので、どちらかの足にぴったり合うのであれば、どちらかの足でズレる結果となります。

ここに革靴初心者の方が陥りやすい落とし穴があります。

初心者の方は探せば市販の品でも自分の足にぴったりくる革靴があると考えがちなのです。

しかし、足のサイズが左右微妙に違っているのが人間の足である以上、こだわればこだわるほど革靴は自分の足に合わせて

「オーダーメイドで作るしかない」

という事になるのです。

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革靴が足に合わずに痛みや違和感を感じる まとめ

このセクションをまとめます。

足が痛くなる、違和感を感じる際の主な理由として靴が「小さい」「大きい」という2つの原因がある事をお伝えしました。

サイズが合っていると判断して選んだ革靴であったとしても、このような違和感を感じる事が現実的にあるという事です。

痛みや違和感を感じる理由の一つとしては革靴が「動物の皮膚」という天然素材でできている、という点があげられます。

同じ2足の新品革靴でもどちらか一足だけは痛くなる可能性があります。革は天然素材なので個体差が存在するからです。

革靴は実際に履いてみないと解らない事もある、というお話です。痛みや違和感を感じてしまった場合は個別に対応してください。

そして、初心者ほど陥りやすい罠として「探せばぴったりくる革靴があると思って探している」という認識のズレを紹介しました。

人間はロボットではないので足のサイズや形などは左右で違っています。しかし、一般的に販売されている既製品の革靴は左右対称に製造されています。

そのため、どちらかの足が革靴にぴったりとフィットするのであれば反対側の足は必ず、靴と合わない状況が発生するのです。

ただ、今回は解り易くする為に、かなり極端な内容で説明をしています。

確かに人間の足の大きさは右と左でハーフサイズ以上も違いがある事だって珍しくありません。しかしながら、ほとんどの人がこれまでに大体そのままの状態で靴を着用してきています。

みんな、大きめの方の足と反対側の小さめの足がそれなりに収まるようにある程度の妥協もしながらバランスを取って靴を選んできています。

今回の講座でお伝えしたいのは、そのように履いて来た革靴もちょっとした工夫でもっともっと快適に履けるようになる、という事なのです。それでは次のセクションで具体的なその施策についてご紹介していきます。

20年間履いてなかった革靴を履けるようにした話20years-after-loafers

こちらのセクションでは20年間履いていなかった革靴を履けるようにした話をお伝えして行きます。

ここまでの話で「きちんとサイズも選んで買ったにもかかわらず履けなくなる革靴がある」という事を理解して頂けたかと思います。今回はそれについての具体例をご紹介します。

こちらのセクションでお伝えする事は

・講師青山健一が生まれて初めて購入した革靴

・痛い革靴に施術をする際のマインドセット

・実際に選んだ方法とその結果

になります。

講師青山 健一が生まれて初めて買った革靴

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今回お話しするのは講師青山 健一が実際に体験した内容です。僕が生まれて初めて買った革靴の話になります。

あれは確か1993年の事だったと思います。19歳の時に生まれて初めて自分用に革靴を購入しました。その革靴が上の写真の品です。

『REGAL』のBEEF ROLL ROAFERです。これを購入するきっかけとなったのは、何かの式の時にスーツに使う必要があったからだったと思います。

でも、プライベートの私服でも使う予定だったのでどうぜならカジュアルなローファーにしようと考えてました。初めて自分で革靴を自分で買うつもりだったんですけれども、その時、母親がお金を出してくれると言ったのです。

「せっかくだからそれなりの物を買ったら?」

と言ってくれたので有難くそうさせてもらう事にしました。

当時、千葉県の津田沼にエキゾチックタウンというダイエー系列のディスカウントストアがありましてそこで購入したと記憶しています。確か値段は9800円ぐらいでした。丁度、一足が1万円ぐらいだったと思います。

実際に試着してみて購入してすごく気に入りました。なので、後日、色違いでもう一足全く同じサイズの物を買ったのです。思ってたほど値段が高くなかったので2足とも母親がお金を出してくれました。

で、実際にウキウキしながら履いていたのですがどうにもこうにも甲の部分が痛くなるんです。

ローファーはある程度フィットするサイズでないと脱げてしまいます。なので、サイズ的には正しいサイズを選んでいるはずなのです。

最初は、履いているうちに革がなじんで丁度良くなるだろうと考えてました。でも「お洒落はガマンだ!」と頑張って履いていても一向になじんでくる気配はありませんでした。

今だったら解るんですけれども、このリーガルのローファーは厚めの革でガラスレザー製です。しかも、甲の部分は「サドル(馬の鞍のように乗っているから)」と呼ばれる革を重ねた上に糸で縫い込んであります。

要するに革がすごく伸び辛い仕様になっているんです。

もう少し、我慢しながら履いていたら違った結果にもなっていたかもしれないですが、当時僕はスポーツをやっていました。ボクシングをやっていてプロボクサーにもなりました。

なので、革靴を履く事で足が痛くなってしまうのは具合が良くないんです。フットワークが悪くなったらパフォーマンスが下がりますし、足は商売道具なので痛める訳にはいきません。

結局、履いていると痛くなってしまうこの靴たちは履かなくなってしまいました。

とはいえ、この2足の靴は初めて購入した自分の為の革靴ですし、母親が息子の為にお金を出してくれた、という想い入れもある品です。

履けないとはいえ手放す気にはなれず、大事に箱に入れてしまっておきました。

20年間履いてなかった革靴

それから20年の月日が経ちました。初めて革靴を買った日には夢にも想像できなかった事ですが、僕は革靴を買ったのと同じ街、津田沼で中古革靴を専門的に扱うお店のオーナーになっていました。

ある時、ふと思い出しました。

「あのローファーまだ実家にあるよな?」

という事です。

かつてとは違い、革靴の知識も手入れの経験も豊富に持ち合わせています。今ならあの革靴を履けるようにできるんじゃないか、と考えました。

そうして実家からその2足の革靴を店に持ってきたのです。箱を開けてみると、20年間履いていなかった革靴ですが履くにあたってコンディションは全く問題ありませんでした。

ただ、実際に足を入れてみると確かに甲の部分が当たります。なので、履けるようにするために持っている知識を使って革靴に施術を行う事にしたのです。

痛い革靴に施術をする際のマインドセット20years-later-loafer

この内容を読んでさっているという事は恐らくあなたは革靴の知識に対しては初心者の方だと思います。

もしかすると自分自身で何か革靴に行うのはすごく難しいのではないか?と考えているかもしれません。

なので、あなたが実際に革靴に何らかの対策を施す時の考え方をお伝えしておきます。

あなたはこれまでに眼鏡をかけたことはありますか?サングラスや伊達眼鏡でもいいです。そして、その眼鏡をかけているうちにテンプル(つる)の部分が当たって、耳の上とか側頭部が痛く感じた事は無いでしょうか?

僕にはあります。あのテンプルの部分って違和感を感じているとそのうち直接当たっている部分が痛いだけではなく、頭痛を感じたりしてきます。

でも、眼鏡の事を良く知っている人だと解ると思うんですが、調整すればいいんです。「ぬるま湯につけてツルを曲げればいいじゃん?」って話なんですね。

テンプルをお湯につけて手で曲げるだけで劇的に痛く無くなったりします。その際、テンプルを曲げるのはほんの少しだけかもしれません。

本当に1mm、2mm角度を変えてあげるだけで「あの痛みは何だったのか?」と思うほど快適な眼鏡に変わるのです。

この感覚ですね、革靴の場合も。この感覚です。痛みや違和感を感じているのは実を言うとほんの少しの差だけかもしれないのです。

もちろん、眼鏡をきちんと調整するならば、直す事が必要とされる箇所はテンプルだけではないかもしれないです。

しかし、テンプルを少し手直しするだけで状況が驚くほど変化して痛みが無くなります。革靴の場合も一緒です。痛みを感じている部分をほんのちょっとだけ適切に改善してあげるだけで

「あんなに痛みを我慢していたのは一体何だったのか?」

と思えるぐらい劇的に状況が改善することも少なくありません。

痛みや違和感を改善するのに必ずしもお店に持って行ってプロに難しい施術を頼む事はないかもしれません。ほんの少しの手直しだけで済むのならば自分自身で行ってみる価値は十分にあります。

それを行うのに必要なのは

『単純に知識だけ』

です。

眼鏡と一緒です。「お湯につけて手で曲げる」という知識を知っていれば自分で簡単に改善する事ができます。

あなたの痛い靴を我慢して履くのか、快適な状態で靴を履くのかを決めるのはただ単にその方法を

「知っているか、知らないか」

だけかもしれません。

20年間履いていない靴に行った行為
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では実際に20年間履いていなかった革靴に行った処置についてです。ここまでの内容で靴に違和感がある場合は大きく分けて2つの原因が考えられるという事をお伝えしてきました。

「靴が足より大きい場合」と「靴が足より小さい場合」です。

どちらの場合もそれぞれ3通りの処置が考えられます。今回のケースでは「靴が足より小さい」場合の処置の一つを選びました。それは「革を伸ばす」という方法です。

ただ、それをここで説明しだすと一つのレクチャーでは終わらなくなってしまいます。なのでそれぞれ3通りずつある実際の処置についてはこの後のセクションでお伝えします。

簡単にかいつまんでいうと、「ある成分」の入った数百円程度から販売されている品を買ってきて布に含ませます。それを、ローファーの上に女性のお顔のパックのようにして被せます。

そして、中には新聞紙をキュンキュンに詰めて靴の内側から押し上げるのです。それを、一日放置する。それだけ。

次の日に履いてみると、びっくりするぐらい楽になります。

「うん、これなら履ける!」。

このまま履いていても十分だったと思います。でも今回はもう少しだけ楽にしたかったので、あと一晩、行う事にしました。

もう一度ローファーの上にある成分を含ませた布を被せて一日置きました。次の日に履いてみると完璧です!

「若き日のあの苦しみは何だったのか?」

20年戻ってあの日の自分に教えてあげたいです。

でもこれまでの内容で、「革靴には個体差がある」とお伝えしてきましたね。

もしかしたら上手く行ったのはこの革靴固有の結果なのかもしれません。なので、同じサイズで色違いの茶色のローファーにも試してみる事にしました。

同じようにパックして、一日と一晩。

結果はどうなったのかと言うと、パーフェクトです。履いていても全く痛くありません。自分としては大満足の成果を出す事ができたのです。

眠っていた革靴を蘇らせた喜び

こちらのセクションの内容をまとめます。20年前に購入した同じサイズの2足のローファーが痛くて履けなかった事をお伝えしました。

ただ、痛みのある革靴もほんの少しだけ処置をしてあげるだけで劇的に変化する可能性があります。

それはあたかも痛みを感じる眼鏡のテンプルをちょっと手で曲げてあげるようなものなのです。知識として「知っているか」「知らないか」の差で結果が変わってくるという話です。

実際には、自分で簡単な処置を施しただけで劇的に痛みがなくなり、2足とも履けるようになりました。実際に今でも履ける状態で活用しています。

これらの処置をした事で一番嬉しかったのは、思い入れがあるけど履く事のできなかった革靴が再び履けるようになったという事でした。

僕にとって、この2足のローファーは自身の革靴の中で最も大切なものです。初めて自分で購入したという事もありますし、母親が息子の為にお金を出してくれたという思い入れもあります。

僕個人にとっては、オールデンよりもエドワードグリーンよりもアレンエドモンズよりもチャーチよりもクロケット&ジョーンズよりもジョンロブよりもJMウエストンよりも、どんなに高級な革靴よりも価値のある靴なのです。

それが再び靴として現役となった事。なによりも喜ばしい事でした。

あなたにも履きたいとは思っているけれども、履く事をあきらめて眠らせている革靴があるかもしれません。

そもそもサイズ選びが大幅に間違っているようであれば残念ながらその革靴とは縁がなかったという事になります。

でも、多少の不都合で履く事ができないのであればこの後のセクションでお伝えする2つの原因に対する3つずつの施術を一度試してみる価値はあるかもしれません。

一足でも履く事ができる革靴が増えれば、普段履くローテーションの中に組み入れる事ができます。そうすれば、その他に履いている革靴も使用頻度が下がるので全体的に靴の寿命が延びる事になります。

今現在履いていなくて、眠らせている革靴があるのであればこの後のセクションの知識を学んでみて下さい。

革靴のサイズ選びとフィッティングについて

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それでは、実際に不具合のある革靴について具体的に行う施術についてお伝えして行きます。

ですが、その前にですね、まずフィッティングについて先にお話ししておきたいと思います。

まず一番最初に購入する時点であまりにもサイズが間違っている革靴を選んでしまっては、いくら対処法を覚えた所でなすすべもありません。

基本は最初から自分の足に合う革靴を選ぶ事が大前提です。

世の中の全てのおいてそうだと思うのですが本当の上級者の方ほど基本に忠実です。これは革靴を選ぶ際の基本中の基本ですので、確実に理解しておいてください。

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試着をする時間

革靴を購入する際には基本的に夕方以降の時間に選ぶのが良いとされています。この理由としては足の「むくみ」が関係しています。

足は一日の中で時間帯により大きさが変化します。夜、横になって寝ている姿勢から、朝起きて日常の活動をしていく中で、地球の重力に引かれ血液や水分が体の下にたまった状態が足のむくみです。

もし、足にむくみが無い状態のすっきりしている時間帯に革靴を選んでしまったらどうなるでしょうか?

その足の状態でぴったりとしたサイズ感の革靴を選んでしまうと、靴の中で足が大きくなった時間帯の時には痛くて履けないという状況になりかねません。

革靴を選ぶ時は足がむくんで一番大きくなった状態で試着をする事を心がけて下さい。

とはいえ、足のサイズの変化には個人差があります。むくみが酷くて一日の中でサイズが大きく異なる人もいますし、さほど差がない方もいます。

そして足は夕方以降が一番大きくなっている、と一般的に言われていますが全ての方に当てはまるかと言うと、そうでもありません。毎晩、浴びるように大酒をくらって寝るのが習慣の人は朝が一番むくんでいるかもしれません。

要は、自分の足が一番大きくなる時間帯を理解しておく事が大切なのです。

革靴を購入する際に、必ずしも自分の足が一番大きくなっている時間帯に選べるとは限りません。むしろそうでない場合の方が多いかと思います。

なので、

「自分自身の足がどれくらいむくむのか?」
「いつの時間帯が大きくなっているのか?」

客観的に理解しておく事が大切です。そのうえで、足のむくみを考慮して自分の足に合う革靴を探すようにして下さい。

革靴を履く際の靴下

革靴を選ぶ際、思った以上にフィッティングに影響があるのが靴下です。履いた時の感覚は靴下の素材や厚さにとても影響を受けます。

大げさに言えば真冬のブーツに合わせる厚手のウールの靴下と、夏になってローファーを素足感覚で履く時のようなカバーソックスではまるで違ったサイズ感覚になるという事です。

もしあなたがビジネスで使用する革靴をお休みの日に探す時は、仕事で使っている靴下を履いて行くか、持参して行くのが良いでしょう。

私服用の靴下でサイズ感を合わせると、実際に仕事用の靴下で履いた時には違った感覚になるかもしれません。

履いている靴下によってサイズ感覚は確実に変化します。いつも履いている靴下を持ち合わせていない時はお店の人に頼めば恐らく試着用の靴下を用意してくれる事が多いです。

試着用の靴下は厚手の品、薄めのものなどお店で複数用意してくれている事と思います。購入の際には遠慮せずに申し出ましょう。

また、靴下によってサイズ感覚が変わる事を理解していると靴を選ぶ時にあえて利用する事もできます。

試着の際に履いている靴下ではサイズが微妙にきつかったり、緩かったりした時には靴下の厚さを変える事で同じ靴でも対応可能だと判断できるかもしれません。選べる革靴の選択幅が広がりますので是非覚えておいて下さい。

革靴を履く時の服装

革靴を選ぶ時には、実際にそれを履く時に着用したい洋服のコーディネイトで行く事をお勧めします。

ただ、ビジネス用の革靴をお休みの日に探しに行く際、スーツを着て行くのは現実的に難しいかもしれません。ですが少なくとも、どのスーツで合わせたいのかイメージしておく事が大切です。

プライベート用の革靴を選ぶ際には、実際に合わせたい洋服のコーディネイトで試着をすると意思決定が容易になります。

あなたが靴を履く際にはただ単に革靴一足だけで外を歩く訳ではありません。

革靴一足で後は全裸、という人はいませんよね。必ず、革靴と洋服を着用しているはずなのです。

ですので、革靴と洋服、全体的なトータルのバランスで判断するように意識してください。

革靴と洋服の双方を意識する事で、あなたにとって気持ちの良いスタイルを構築する事ができるようになるでしょう。

革靴のサイズを簡単に理解する方法

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アメリカ靴やイギリスの靴を購入する際、自分のサイズがよくわからない、という事があると思います。今回はそれを簡単に理解する方法をお伝えします。

サイズが理解できないのは普段使い慣れていない表記で記載されているからです。それを理解しやすいようにセンチに変換すればわかりやすいです。その簡単な変換方法をお伝えします。

まず アメリカ表記サイズは2を足す、イギリス表記サイズは1を足すと覚えて下さい。

US ⇒ +2   UK⇒ +1

これらを何に足すのかと言うとセンチ表記であなたが履いている靴の末尾の数字です。

たとえばあなたが普段履いている靴のサイズがセンチ表記だと27cmだったとします。その場合は

27cm ⇒ 末尾は 7

アメリカ靴の場合  7+2=9

なので、アメリカ革靴であなたに対応するサイズ感は「US 9」ということになります。イギリス革靴の場合は1を足すので「UK 8」があなたの足に対応するサイズ感となります。

では、次はあなたの足のサイズから計算するのではなく、革靴に書いてある記載から考えてみましょう。

例えばアメリカ製の革靴を見たらサイズ表記に 「8」と記載があったとします。その場合は2を引けばいいのです。その数字をセンチ表記の末尾と考えて対応させます。

8-2=6  ⇒ 26㎝

イギリス革靴の場合は1を引きます。

8-1 =7 ⇒ 27cm

がおおよその目安となるサイズ感です。

ただしイギリス革靴の場合は少し注意が必要です。

「MADE IN ENGLAND」の表記があったとしても最初からイギリス国外向けとして製造されている時は、US表記で記載されている場合が多々あります。良くわからない場合は実際に試着をして確かめる事が大切です。

特にインターネットなどでイギリス靴を購入する場合はこの点を充分に理解しておく必要があります。

例えば、サイズ8と記載があるので27㎝相応だと判断して購入したら、アメリカのサイズ表記になっていておよそ26㎝対応だったりする。

このような思い違いで失敗された方の事例が少なくありません。

そのイギリス革靴のモデルがどちらの記載を採用しているのかわからないようであれば必ず試着をするべきでしょう。気を付けて下さい。

実際に革靴を履いて確認するポイント

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それでは実際に革靴を履いて確かめるチェックポイントをお伝えします。

まず店舗で革靴を試着する際に気を付ける事として特に必要なのは

「絶対、革靴に着用の跡を付けない事」

です。

特に新品の場合、革靴の甲にシワが入ってしまったらそれだけで商品として傷ものとなってしまいます。

当店では中古の革靴を扱っているので、その辺りは特に気兼ねなく履いて頂いています。すでに甲の部分にシワの入っているのが中古革靴だからです。

ですが、通常、お店で革靴を購入すると言えば新品の革靴だと思います。なので試着をする場合は注意が必要です。必ずお店の方の指示に従って下さい。

講師青山 健一の失敗談

講師青山 健一がなぜ、新品の革靴の試着について神経質にお伝えするかと言うと、自分自身、失敗した経験があるからです。

かつてアメリカに先代の社長と古着の買い付けに行った時のお話です。たまたまデッドストックの革靴のサイズを確かめる機会がありました。

で、その時に僕が履いてみてついうっかりと、革靴のつま先をスニーカー感覚で押してしまったのです。

そしたら、社長にめちゃくちゃ怒られました。それはもう、本当にめちゃくちゃに怒られました。

うちの社長はかつて靴屋としてはアメ横で最も坪単価の売り上げを誇ったお店のトップセールスマンだったのです。靴に対してはプロ中のプロです。

昔、若かった頃のうちの社長は怖いですよー。

アメリカに買い付けに行けば朝の4時だろうがなんだろうが物が飛んできましたし、怒鳴り散らされるなんて日常茶飯事です。もぅ、普段からビクビクしてました。見た目も怖いですし。

例えば僕が店の前の道で社長の車の横で怒られていたりするとですね、通行人の方が

「あの子、ヤクザに絡まれてる。。」

というような憐れみの目で皆、遠巻きにかなり避けながら足早に通って行くんです。だって日本に2台しかないという真っ赤なベンツのツーリングワゴンとかで店に横付けするんですから。

そんなこんなで話がそれたんですが、何が言いたいかというとですね。靴のプロであった社長に怒られたおかげで骨の髄まで刻み込まれた教訓が

「試着の段階で新品の革靴を傷つけるな」

という事なんです。

商品は購入するまであなたの物ではありません。お店の所有物を貸してもらう立場ですので気を付けましょう。

靴を履く際は必ず靴べら(シューホーン)を使う

革靴を履く際は必ず、靴べら(シューホーン)を使用します。初心者の方ほどやりがちなのは靴のかかとに指を突っ込んで履く事です。しかし、これはお店でやるとマナー違反です。

指を入れて無理やり履くと靴のカカトのフチを壊しかねません。商品の革靴のステッチが切れたり形が崩れたらそれは売り物にならなくなります。

あなたが全て買い取るのであればいいと思いますが、そのつもりがないならきちんと靴べらを使用して下さい。

また、実際に革靴を購入した後でも靴べらを使用しないで着用を続けていると靴の寿命を縮めます。指を差し込んで靴を履く事でかかとのフチを壊す人はとても多いのです。

靴ベラを確実に使用する習慣を身に着ける事で革靴を長く愛用する事ができます。革靴を購入した場合には靴ベラも必ず用意して下さい。

また、靴ベラをかかとに対して斜めに入れて、テコの要領で無理やり足を押し込む人がいますがこれも革靴のかかとをつぶす原因になります。

これまでに、靴ベラを折ってしまったり、曲げてしまった経験のある方は恐らくこのような使い方をしているはずです。

靴ベラの正しい使い方は、靴ひもを十分に緩めた後、かかとと同じ角度で地面に対して垂直に入れます。そして足を上から下にストンと落とすような気持ちで滑らせて使います。

靴ベラを斜めにして押し込むようなやり方をしている人は靴ひもを十分に緩めていない可能性が高いです。横着せずにキチンを靴ひもを緩めてから履くようにして下さい。

入れた後、足を靴のかかとに合わせる

足を革靴の中に入れた後はカカトを靴のヒールカップにぴったりとつけて下さい。靴のヒールカップが自分のかかとの大きさに合っているかどうかを確かめます。

そして足の先に若干のゆとりがあるかどうかを確認します。足の指が自然と伸ばされた状態で靴の前方に1~2㎝ほどの隙間は必要です。これは捨て寸と呼ばれ、歩行の際に必要なゆとりとなります。

もし、カカトに足を合わせた状態ですでに親指の先に隙間が無い様であれば靴が小さいと判断できます。

縦、横、上下の隙間を確認する

その後、靴ひもを締めて全体のフィット感を確かめます。ひもを締めた後、足を前方にずらすとカカトの後ろに若干の隙間ができます。この隙間に小指を入れてみて第一関節くらいまで入る空間があると丁度よいと言えます。

そして親指と小指の付根を結んだ横幅の部分を確認します。この部分はボールジョイントと呼ばれ、この位置で固定されていないと歩いた時に足がずれる事になります。

また、ボールジョイントは足幅の中でも一番広い部分になるので、痛みがあったり、キツ過ぎたりしないか確認して下さい。

特に小指の外側が靴に面で当たっているかどうかを確かめておきます。足が靴に接する箇所が面ではなく点で当たっている感覚がある場合は歩行の際、痛みを生じる可能性があるので注意して下さい。

さらに靴内の上下の隙間も確認しておきます。足の甲と革の間に余分な隙間がありすぎると、歩行の際、靴の革が甲にささるように折れ曲がったり、中で足が動いて靴ずれの原因になったりします。

この革靴内の隙間を確認する際ですが、絶対にやってはいけない行為があります。先ほど講師青山 健一の失敗でお伝えした内容ですね。

初心者の方ほどやってしまうのですが、革靴のつま先部分を手の指でぐいぐい押して足指の位置を確かめる行為です。恐らくつま先が柔らかい素材でできているスニーカーと同じ感覚でやってしまうのだと思います。

ですが、革靴はおでこの位置に先芯と呼ばれる部材が入っています。この先芯を押し込んで凹ませてしまった場合、完全には元に戻らなくなります。注意して下さい。

もし、お店で新品の革靴を試着している場合は、商品を傷ものにする事になります。その場合、靴を買い取る必要が出てきますので絶対ににやらないようにしましょう。

足の指の位置を確認する場合は靴の中で親指を上下に動かして判断するようにして下さい。

立ち上がり、前後に踏み込んで確認する

最後に靴を履いた状態で立ち上がったら、軽く前後に踏み込んで履き心地を確かめます。勝手に歩きだしたり、甲の部分を曲げて靴にシワを作るのはマナー違反です。特に新品の靴の場合はシワが付いたら傷物になりますので気を付けて下さい。

サイズ表記の数字だけでは革靴を選べない

ここまでで、実際に革靴を選んで試着する際の注意点をお伝えしてきました。

どんなに知識を得たとしても革靴を選ぶ際には必ず試着する必要があります。初心者の方にとって、試着もせずに革靴を購入する事は一種のギャンブルだと考えて下さい。ここでは革靴をサイズ表記だけで選べない理由をお伝えします。

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革靴のサイズ表記は靴の大きさを表していない

日本では靴のサイズを表記する際には単位として「センチ」が使用されています。この方法で表記されているのは、かかとの一番後ろから靴の前方までを計測した数値です。

これはどの靴、どのメーカーであったとしても全て同じ方法で計測、表記されています。センチ表記で表されている品は全て靴の長さそのものを表しているです。

それに対し、欧米の靴の場合「US8」「UK7」などというように数字で表されています。この表記で書かれているのは靴そのものの大きさを記している訳ではありません。これは革靴を作る際に使用する「木型の番号」なのです。

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この表記は木型の大きさを「7」とか「8」という数字で表したものです。例えば「7 1/2」とは「7」の木型と「8」の木型の間の大きさである事を記しています。

この数字は良く「インチ」と勘違いされますが、ただ単に木型の番号です。「センチ」や「インチ」のように単位があるものではないので注意して下さい。

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革靴のサイズ表記が「木型の大きさ」を記しているだけとは一体何を意味するのでしょうか。

そうです、

同じメーカーの品で、同じ数字が表記された革靴であっても「木型」が違ければ、履いた時のサイズ感が全く違う

という事なのです。

もちろん、作っているメーカーに違いがあれば、同じ数字が表記されていても全く違うサイズ感になります。使っている木型はメーカーによって全く違うからです。

これらの事から言えるのは欧米の靴の場合、表記の数字だけではサイズ感を判断できないという事です。試着をする事が不可欠なのはこの理由にもよります。

靴の履き心地には足のアーチの長さが関係する

そしてもう一つ、革靴を購入する際にサイズ表記だけでは判断できない理由があります。実際の革靴の履き心地には足裏にある「アーチの長さ」が関係しているのです。わかりやすく言えば土踏まずの長さです。

講師青山健一の例をあげましょう。僕の足の長さはアメリカサイズの表記で言うと『9 1/2』、センチで表すと 27.5cm になります。なので、かつて革靴はずっとサイズ【 US  9 1/2 】で ウィズがEもしくは2Eの品を履いていました。

ところがです、ある時に足のサイズをきちんと測ってもらった所、

足の長さは【 US  9 1/2 】。

しかし、

足裏のアーチが【 US  10 1/2 】

に対応する長さだという事が判明しました。足の大きさに対してアーチが長いという事なのです。さらに言うとウィズはそこまで広くなく、【D】 もしくは【C】ウィズでいい事が分りました。

これはどういう事かというと、足の長さは【 US  9 1/2 】だけれどもアーチの長さから考えて、革靴は【 US  10 1/2 】でウィズ【C】を選んだ方が実際に履いた場合、足にしっくりときて気持ちがいい、という事なのです。

もちろん、実際の足よりも大きめサイズの革靴ですので、足先の捨て寸は通常よりもあります。しかし、そのつま先の余りを考慮した上でも【 US  10 1/2  ウィズC 】を選んだ方が足の感覚的には心地よく感じています。

あなたはこれまで、自分自身のアーチの長さを理解した上で革靴を購入しているでしょうか?

おそらく多くの人は自身の「土踏まずの長さ」まで考慮する事なく革靴を選んでいる事と思います。

革靴の履き心地には「足裏のアーチの長さが関係する」。これがサイズ表記だけを見て革靴を選ぶ事ができない理由の一つです。

もしあなたがお店で革靴を履いた時に「表記のサイズは合っているはずなのに履いた感じがしっくりとこない」と感じるのであれば表記のサイズよりも、履いた時の感覚を信じた方がいいかもしれません。

ここまでにお伝えしてきた、革靴の正しいフィッティング方法で選んだ靴であれば、後はあなたが履いた時、しっくりくるかどうか?という感覚が決め手となります。

その靴を履いてみて、足が気持ち良く感じるのかどうか?はあなたにしか理解できない感覚なのです。最終的には実際に履いた時のフィーリングも判断の基準としてみて下さい。

革靴に違和感がある場合の具体的な対処方法

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それでは、ここから革靴に不具合がある場合の具体的な対処方法を考えていきましょう。

大まかに分けて不具合がある場合は2つの原因がある事はこれまでにお伝えしてきました。

「足に対して革靴が大きい場合」と「足に対して革靴が小さい場合」の2通りがあります。

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実際に革靴に足を入れてみて、丁度良いサイズと言うのは

・つま先に捨て寸が1~2cmほどある
・かかとに小指の第一関節が入るぐらいの隙間がある
・ボールジョイントの部分がしっくりくる

が目安です。

この中で捨て寸に関しては靴のデザインによって、もっと長くなるかもしれません。

ポインテッドトゥなどのつま先が細いデザインの靴であれば2cmよりも長くなるものが多い事でしょう。なので一概に2cmまで、という事ではありませんので靴によって判断して下さい。。

では履いた時に革靴が足よりも大きい時の対処法です。

革靴が大きい場合は中の空間を埋める

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革靴の方が足よりも大きい場合は「隙間を埋める」事が具体的な対処方法になります。厚めの靴下を履く事で空間を埋める事もできます。

今回はそれ以外に靴に対して施術を行い、空間を埋める3つの方法をお伝えします。

隙間を埋めるために革靴に対して処置を行える場所は3か所あります。

●「甲の上(タンの裏)」
●「かかとの後ろ(ヒールカップ)」
●「足の裏(インソール)」

の部分です。

シュータンパッドを貼る

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まず、一つ目の空間を埋める場所は革靴のベロの裏側です。その位置に貼る事で隙間を埋める「タンパット」と呼ばれるアイテムがあります。【M.MOWBRAY】からは レザータンパッド という商品が出ています。

このタンパッドを貼ると甲の部分の厚みが増したのと同じ効果があります。タンパッドにより足が靴の中で後方へ押さえられる形になりまのでかかとの抜けも改善されるようになります。

足の甲が低い人で最初から革靴を履いた時に靴との間に隙間ができてしまう場合に効果的です。

この靴用のタンパッド、アメリカでは割とスタンダードなフィッティング調整方法です。ただ、ヨーロッパの市場ではあまりポピュラーではないらしく革靴のサイズ調整にもお国柄が表れているようです。

また、このタンパットには空間を埋めるだけの使用方法だけでなく、見た目を整えるために使う事もできます。靴ひもを閉じた時に羽根の開き具体を調整する為に使う事ができるのです。

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一般的に靴ひもを締めた時の甲の合わせ目は『やや開いていた方が見た目がキレイ』とされています。ここの開きが合わせ目の最も上部の箇所で5ミリ~1cm程度、開いていると美しいのです。

しかし、甲の低い人や、足よりも大きめの革靴を履いてしまった場合はこの部分が閉じてしまう事になります。

その場合もこのタンパットを活用する事によって甲の高さが調節され、ちょうど良くきれいに合わせ目が開きます。足と甲の部分の隙間が埋まりフィティングも良くなりますのでおススメです。

ただ、実を言うとこの合わせ目が閉じる現象は、最初から大き目の靴を選んだ場合だけに限らず起こる現象なのです。特に新品の革靴をおろして履く時に起こります。

革靴は新品の頃はサイズ感がちょうど良くても履きこんでいるうちに靴の中物が沈み込み、ゆるくなってくることがあります。

中物と言うのはアウトソールとインソールの中に詰めてあるクッション材の事です。革靴の場合はコルクなどが敷き詰められている事が多いですね。しかし履いているうちにこの中物が潰れて沈み込み、靴の内部が広くなってきます。

そうすると、初めの頃はちょうど良いサイズを保っていた革靴も空間ができて甲が閉じてしまう事があります。そんな時はタンパッドを装着して甲の合わせ目がきれいに開くように調整すると便利です。

履いている時に美しく見える事も革靴の大事な要素の一つです。あなたの革靴がヒモを結んだ時に甲の部分がぴったりと閉じてしまっている場合はシュータンパッドを使用してみて下さい。

また、中物が沈んだら

「中敷きの部分にインソールを敷けばいいのではないか?」

という考え方もあります。足の裏から底上げして空間を埋めるというアプローチです。もちろんそれも一つの方法でインソールついてはこの後お伝えします。

ただ、タンパッドにはインソールにはないメリットがあります。

新品の状態から履きこんだ靴の場合、自分の足の形でインソールや中物が沈み込んでいます。自分の足裏の形に合わせて中物が変化し、フィットしているという事です。

その場合、インソールを入れるとせっかく自分の足の形になじんだ履き心地の感覚を無くしてしまう事になります。

それを避けたい場合は空間を埋めるためにレザータンパッドで甲部分を埋める方法を取ります。これにより足裏のフィット感覚を変えずにサイズを調節する事が可能です。

インソールよりタンパッドが優れているという意味ではありませんが、特徴としてそのようなメリットがタンパッドにはあるのであなたの好みによって選んでみて下さい。

かかとにヒールグリップを貼る

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2つ目の方法はかかとに滑り止めの部材、ヒールグリップを貼るという方法です。【M.MOWBRAY】からは ソルトヒールグリップ というアイテムが発売されています。

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こちらは革靴のカカト部分に内側から貼り付けて使用するパットです。カカトを包み込むように両サイドからしっかりとホールドして歩行の際に靴が脱げる事を防ぎます。

あなたはこれまでに欧米の革靴を履いた際、長さもポールジョイントも丁度よいのに靴のかかとの方が大きくて抜けてしまう、というような経験をした事がないでしょうか?

実は欧米人と日本人では足のかかとの骨格が違います。基本的に日本人のかかとの骨は欧米人に比べて小さめです。

なので靴のサイズは丁度いいのにカカト周りだけゆるい、という事が起こり得ます。そのような際にはカカトの内側にヒールグリップを付ける事でかかとの抜けを解消することができます。

注意点としては貼り付けた後、靴を履くときにきちんと靴ベラを使用してパットを押さえながら足を靴に入れる事です。

こちらは両面テープで側面に貼り付けて使用するパットです。しっかりと貼り付けておけば簡単に剥がれる事はないのですが、靴を脱ぎ履きする度にカカトでパットを擦るようにしていてはどんなシールでもすぐに取れてしまいます。

注意しながら気を使って足を靴の中に入れるようにしてください。

インソールを革靴の中底に敷く

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3つ目の方法は中底にインソールを入れるという方法です。これは一番なじみのある方法だと思います。

いろいろなインソールが様々なブランドから出されているので実際にご自身に合う物を試してみるのがいいでしょう。

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こちらでご紹介するのは【M.MOWBRAY】から出されているコンフォートドライというアイテムです。このインソールは足の裏にある3つのアーチをサポートするように盛り上がりのある形状となっています。

この盛り上がりが足裏からしっかりとアーチを支えて持ち上げてくれることにより靴の上部に空いた隙間を埋めてくれます。

あなたが革靴を履いた時、このような状態になったことはないでしょうか?

「靴の上に空間が開くけど足幅の部分がキツイ」

というような状況です。そのような場合、もしかしたらあなたの足は『開張足』気味になっている可能性があります。

人間の足の裏には「3つのアーチ」があります。

●親指の付け根からかかと部分にかけて(内側縦アーチ)

●小指の付け根部分からかかと部分にかけて(外側縦アーチ)

●親指の付け根部分から小指の付け根部分にかけて(横アーチ)

の3つです。

「土踏まず」と一般的に言われているものは内側の縦アーチのことです。このアーチが崩れてつぶれてしまっている状態がいわゆる「偏平足」です。

そして横アーチが崩れてしまっている状態を「開張足」と呼びます。足がぺちょっとつぶれて横幅が広くなったような状態です。

筋肉が衰えたり指の靭帯が伸びてしまうとそのうち横アーチが潰れてし開張足になります。足の幅は広いけど厚みのない形になってしまうのです。こうなると足の裏にタコやマメができたり外反母趾の症状がでてきたりします。

このアーチサポートがある形状のインソールが優れている点は、開張足のような

「足幅はあるけど靴の上に空間が開く形の足」

を下から持ち上げ、支えてくれる事です。上手に使えば今まで疲れやすかった人も楽に歩行できるようになります。甲は薄いけど幅広の足の方は試してみる価値はあるでしょう。

また、インソールの良い所は着脱か容易という事です。靴を履き替える際にインソールを外して入れ替える事もできます。

タンパッドやヒールグリップなどの靴の内側に接着するアイテムにおいては、一度装着すると使用をやめる時まで剥がせません。その点インソールは気軽に取り換えたり、外したりすることが可能です。

人間は一日歩くと靴の中でコップの水半分から一杯分の汗をかきます。その際、インソールを革靴の中に敷いていれば直接汗が革靴の底に浸みこむ事がありませんし、取り出して乾かすことも容易です。

インソールは様々な形状の品がたくさん発売されているので、自分に合った物を上手に選ぶ事で革靴を履く行為が非常に楽になる事も多いですし、選べる革靴のバリエーションも増えます。ぜひ活用してみて下さい。

靴が大きいと靴擦れの痛みが生じる

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ここまでで、空間を埋める事によって大きな靴に対応する方法を紹介してきました。

そして、この空間を埋める方法は「靴擦れ」の痛みを改善する方法でもある事を理解しておいてください。

革靴を履いて痛みが生じる場合、「革靴が小さいから」という理由は理解しやすいと思います。革靴が小さいという理由で革が皮膚に接触している状況は容易に想像がつきます。

痛みが出るという現象は物理的に足に対して靴が接触しているのが原因となるからです。

しかし、革靴の痛みは靴が大きすぎる場合にも起こります。

【靴擦れ】という言葉がありますが、これは文字通り足の皮膚が靴と擦れて起きる痛みです。しかし、擦れるというのはどのような状況かというと

「歩行の際、足が靴の中で動いている」

事に他なりません。要するに

「靴の中に余分な空間がある=靴が大きいから靴擦れする」

という事なのです。

なので、革靴を履くと痛みが生じる場合、それは靴が小さいだけとは限りません。靴が足より大きいために擦れて痛い場合はこれまでの空間を埋める、という方法論を取って対応してください。

そして、痛みを感じる場合、対応策の一つとして「当たる箇所をずらす」というのも効果的な方法となります。

ほんの数ミリ程度でも革靴と足が当たる場所をずらす事で痛みが劇的に消える事はよくあります。その場合の対処も今回の「空間を埋める」という方法で対応できます。

パッドやインソールなどで足の位置を靴内で動かしていますので、結果的に「当たる箇所をずらす」事になるのです。

また、空間を埋めるために使用したアイテムが素材的に柔らかい事によって痛みを防ぐ効果もあります。

【M.MOWBRAY】のソフトヒールグリップは低反発クッションを使用していますので接触する部分がとても柔らかい感触です。カカトが革と擦れて痛い場合にはこれを装着する事で即座に苦痛から解放されます。

レザータンパッドを貼る方法については、ベロ裏の部分の縫い目などが当たって痛い場合にも効果を発揮します。パッドがクッションとなるので、ベロ裏の縫い目が擦れる事で生じる足の甲の痛みを解消してくれます。

このように、空間を埋めるという行為においては履きやすさを向上させるだけでなく、歩行時の痛みから足を守る効果も期待できます。

またこれらの対応方法に関しては一つだけでなく、併用する事も可能です。革靴に空間がある場合には是非試してみて下さい。

足に対して革靴が小さい場合

そして次は足に対して革靴が小さい場合の対処方法です。これにも3つの対処方法があります。

●当たる部分を柔らかくする

●当たる場所を伸ばす

●当たる箇所を保護する

この3つの処置方法です。

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当たる部分を柔らかくする

まずは足に当たる箇所の革を柔らかくして痛みを無くす方法です。

皮膚にぶつかる部分が木の破片のように硬ければ足から血が出てしまいますがお菓子のマシュマロのようにぷにぷにだったらどうでしょう。たとえ強く押し付けられても痛くありません。

なので、足の甲や指に当たる部分を少しでも柔らかくして痛みを軽減させるのがこの方法の目的です。

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まず、一つの方法としては【M.モゥブレィ】 デリケートクリーム を使用する方法です。クリームを当たる部分のシワにたっぷりと何回も塗り込みます。

通常のお手入れの際にはクリームをアッパーの外側部分だけに塗っていると思いますが足の痛みを軽減させる際は靴の内部からも塗り込んでください。靴の中に塗る際は、クリームを直接 指ですくって手で塗るとやりやすいです。

保湿をたっぷりと行いながらラノリン成分を皮革に浸透させる事で革のアタリをソフトにしていきます。これを何回か繰り返しながら保湿、保革を充分にする事で皮膚の当たる感覚が弱くなります。これを履きやすくなるまで続けます。

もう一つの方法は当たる部分の革に皮革伸張剤を吹き付けて柔らかくする事です。

【M.モゥブレィ】レザーストレッチミスト を使用します。こちらは、靴を履いて歩きだす前に吹きかけておく事で革が柔らかく伸びやすくなるスプレーです。

たとえば甲のヴァンプ部分の革に折り曲がり癖がついて足を圧迫する場合にはその癖を矯正する必要があります。

シワの入り方の癖を変える事ができれば足の痛みを取り除く事が可能です。ストレッチミストを吹きかけ革を柔らかくしながら歩く事でシワの入り具合を変化させる効果を狙います。

そして、ここまでの内容でお伝えした【講師青山 健一が20年間履いていなかった革靴を履けるようにした話】で実際に使用した方法が ヒアルロン酸の入った水溶液 を使用する方法です。

具体的には女性がスキンケアに使用する保湿用化粧水を使います。

これをコットンパフや布に含ませて革靴の上からパックのようにして被せる方法です。革にヒアルロン酸を浸す事で速やかに保湿が行われ柔軟性がでます。

このように革を柔らかくするには保湿を十分に行うためのアイテムを使用すると効果的です。

また、次に紹介する革を伸ばす過程ではこの保湿と同時に行う事で効果的にストレッチする事ができます。

通常の場合は革を柔らかくする工程と伸ばす工程を同時に行いながら調整するのが有効な処置となります。

ただ、ここで紹介したヒアルロン酸の化粧水は使用すると驚くほどスムーズに革を伸長することができますが一つ注意点もあります。

元々これは革靴を伸ばすための製品ではありませんので、場合によっては革の表情が変わる事も考えられます。

利用する前には必ず革靴の目立たない箇所で色落ちや色ムラなどにならないかどうかの確認テストをしておいて下さい。

また、革を柔らかくするために「叩く」という手段を取る事もあります。金づちで叩くことで固い革のコシをして無くしてしまいます。イメージとしては革の中に存在する固い芯を折ってしまうような感じです。

靴の修理屋さんに行くと靴の中に型を入れてから金づちで叩き、革を柔らかくしてくれるかもしれません。つま先に入っている先芯が当たる場合などもハンマーで叩く事で形を整えると、状況が良くなる事があります。

金づちで叩く行為は自分自身で行う事は難しいかもしれませんが、革が当たる部分を手で揉んでみたりする事で同じような効果を期待できます。クリームなどと併用する事で試してみる価値はあるかもしれません。

当たる場所の革を伸ばす

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次は革靴を履くと当たって痛い個所を物理的に伸ばして当たらないようにする方法です。
この方法では ストレッチャー と呼ばれる器具を使用します。

革靴のシューキーパーのような形の器具なのですがハンドルを回すなどの方法で形を開いていき、内部から外に向かって力を加える事で革を伸ばし幅を出していきます。

外反母趾や骨が特に張り出しているなど、部分的に伸ばしたい箇所がある場合は専用のパッドを取り付ける事により、ピンポイントで伸ばす事も可能です。

甲が高くて革靴が当たって痛くなる場合は甲の部分を上方に向かって押し上げ伸ばす専用の 甲高ストレッチャー という製品もあります。

また、これらの器具がない場合は普段使っている木のシューツリーなどで代用することもできます。

まず木のシューツリーに新聞紙などを丸めてセロハンテープで足が当たって痛い個所に取り付けます。新聞紙で出来たイボをシューツリーに取り付けるようなイメージです。

それを革靴の中にセットします。当たって痛い部分を靴の内側から新聞紙のイボが押し広げ伸ばしてくれます。工夫次第ではシュートリーに布を巻き付けるなどして幅を広げる事も出来ます。

ただ、木のシューキーパー、シュートリーが無い、という場合もあるかもしれません。それでも方法はあります。

講師青山 健一が20年間履いていなかった革靴を履けるようにした際にはシュートリーすら使用しませんでした。

利用したのは新聞紙です。ヒアルロン酸の化粧水をたっぷりと含ませた布をローファーのサドルの上からパックして、靴の内部には新聞紙をギュンギュンにぎっちり詰込み、甲の部分を内側から押し上げるようにしたのです。

この新聞紙をぎちぎちに詰め込む程度の施術でも革は伸びてくれました。

ヒアルロン酸でパックしていた部分に関しては布が渇いた際、一日に2回程度、ヒアルロン酸の補充を行いたっぷりと保湿を心がけました。

革靴を伸長させる際の注意点ですが、これらの施術を行う際には、先ほど紹介したようなストレッチミストやヒアルロン酸の化粧水、デリケートクリームなどを必ず使用して革が楽にストレッチ出来るようにしておいてください。

乾燥している革を無理に短時間で大きな力を加えて伸ばそうとすると亀裂が入り革が切れてしまいます。

ポイントはたっぷりと保湿を行いながらできるだけ時間を掛けてゆっくりと少しずつ伸ばしていく事です。焦らずに、じっくりと取り組んでみて下さい。

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革靴を履くといつも決まって同じ個所、例えば左足の小指の付け根外側が痛くなるとか、当たる場所が決まっている場合も多いかと思います。

外反母趾など、いつでも、どんな革靴でも同じ箇所に痛みが出て困るような場合です。そういった場合は ポイントストレッチャー と呼ばれる器具を試してみるのも良いでしょう。

これは通常「コブ出し」などとも呼ばれる専門器具でペンチのように革の一か所をつまんで伸ばします。

球形の先端部分とリング状の先端部分の間に痛みのある革靴の部位を挟み込み、力を加える事で革を伸ばします。

これにより痛い個所の革をピンポイントで伸ばしたり柔らかくする事が可能です。先ほどご紹介したレザーストレッチミストなどと併用するとさらに効果があります。

デメリットとしてはポイントストレッチャーは局部的に革を伸ばす器具なので靴に若干の型崩れがありシルエットが不格好になるといえばなります。

しかし、いつも当たっていた箇所がほんの数ミリでも伸びるとこれまでの痛みがまるで嘘のように楽になり、革靴を履く苦痛から解放される事も少なくありません。革靴の一か所がいつも痛い場合などはとても効果的です。

この器具は一般の方でもインターネットなどで簡単に購入する事が可能です。値段も4千円程度の物からあります。

プロの靴の修理屋さんに頼む事を考えたら、1~2回使用すれば元がとれるような価格ですので検討の価値は十分にあるでしょう。

気に入って買ったはいいけど痛くて履けない革靴が下駄箱の中で何足も死んでいるのだったら、失敗してもいいから自分でやってみるのもアリかもしれません。

足の形に癖があって、常に決まった部位が痛くなる場合には是非一度試してみて下さい。今、この瞬間も履かれる事なく家で眠っている革靴が束になって何足も蘇る可能性は否定できません。

当たる部分を保護する

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そして3つめは直接、足を保護する方法です。

これまでにも バンドエイド を何層にも貼ったり、厚めの靴下を履くなどしてスレや痛みを避けてきた事があるかもしれませんね。実際、足を直接保護するやり方はとても簡単で効果的です。

新しかったり、慣れない靴を履く時などはあらかじめ痛みが生じる可能性を想定して 保護用のパッド 保護チューブ を持ち歩くべきです。

特に、ある決まった箇所がいつも痛くなる経験を今までしているのであればこれはもう、絶対的に最初は持ち歩いた方がいいと思います。

途中で足が痛くなった時にパットがあった場合のありがたさは計り知れません。

痛くなる事が履く前から予想される、もしくは解っているのであれば出かける前の段階で足を保護しておきましょう。

特に親指が噛まれる場合など、指を保護する目的の場合は ゲルタイプのクッション が効果的、かつ経済的です。革靴を履き慣らすまでの間、洗って何回も再利用する事ができます。

1000円以内であの痛みから解放される事を考えると革靴を履く者として、常備しておくに損はないお品かと思います。

痛みが無くなるまで履き続けた方がいいのか?

最後になりますが、コアな革靴マニアの方だと

「革靴が最初痛いのは当たり前!痛みが無くなってなじむまで数年間でもかけて履き慣らす!」

という、意見の人も結構多いです。「おしゃれには我慢が必要」という考え方ですよね。

これはこれで素晴らしい革靴の愛し方だと思います。

ただですね、講師青山 健一的には革靴を履く際、あまりに痛みを我慢するのはお勧めできません。

これが洋服の場合はどんなにサイズが合わなくても、大きすぎても小さすぎてもケガになる事はないかと思います。ジャケットが小さいからといって身体から血が出ることはないでしょう。

しかし、靴の場合は自分に合わない品だと容易に怪我をしてしまうのです。無理して履き続けていると手術が必要な状態にまで簡単に怪我が悪化してしまったりします。

靴とは元来、歩行の際の足を守る為に作られた道具です。足に怪我をさせたり痛みを生じさせてしまったら本末転倒だと個人的には考えています。

ですので、革靴を履く時にはできる限り痛みを避けて、心地よく楽しめる工夫をしてみて欲しいと思います。

繰り返しになりますが革靴に痛みが生じた場合には

●当たる部分を柔らかくする

●当たる場所を伸ばす

●当たる箇所を保護する

これらの3つを検討してみて下さい。この3つの方法のいずれかもしくは全てを同時に行い、痛みを避けながら履く事で状況が改善する事も多いです。参考にしてみて下さい。

それではまた!

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