靴擦れで指や甲や足が痛い時の防止方法、治し方
店長青山です、
今回は革靴の「靴擦れ」について詳しくお話していきます。
今までの経験としてカカトなどが擦れて血が出たり、親指や小指などが水ぶくれになって痛い思いをした事がある場合はかなり気になりますよね。
恐らくなのですがこの記事を読んでいるという事は既にあなたは靴擦れで悩んでいる事がおありなのだと思います。
なので今回は今現在、実際に履くと
【 靴擦れができてしまうシューズへの対応方法 】
も、詳しく具体的にご紹介していきます。
くるぶしが痛い、足の親指や小指が痛い、足の裏が痛い、など靴擦れの痛みにも色々な種類があります。
詳細に記した結果、かなりボリュームのある記事となっています。
ですので、まず最初にブックマークなどに保存しておいて、いつでも読み返せるようにする事をお勧めします。
今すぐには、一気に全てを読める時間がないかもしれないからです。
靴擦れに悩むあなたにはきっと役に立つ内容が含まれていますので、じっくりと最後まで読み進めて行ってください。
また、今回の内容に関しては日本で初めて【Udemy】に革靴関連のコースを公開した店長青山の動画講座があります。最初の3つのレクチャーに関してはプレビューにて無料視聴できますので、ご覧下さい。
もうこれで革靴を履いても足が痛くならない!合わない革靴を簡単に調整する3つの対処方法
革靴が靴擦れになる原因
まず、靴を履いていて足の皮がむけてしまったり、豆になってしまったりくるぶしが痛くなってしまうのにはいくつかの原因があります。
この痛みを発生させている原因を理解する事なく的確な対応をする事は決してできません。
これは病気の治療と同じです。
風邪なのか複雑骨折なのか、ガンなのか、全くわからないまま完治させるための薬を選ぶ事はできないでしょう。
痛くなる原因を正しく見極める事がまず最初に必要です。
例えば、
あなたはこれまでに革靴などを履いて足が痛くなった時に
「これは安い靴だったから仕方ないのかな・・」
と、考えた事はありますか?
つまり、足が痛いのは靴の品質に問題があるという考え方です。
しかし、
原因が解明していなければたとえ高額で品質の良いブランド革靴を購入した所で結果は同じです。
数十万円する高級革靴もあなたの足を痛めつける残酷な靴となるのです。
あなたの身体の痛みを本当の意味で理解してくれる人は誰もいません。
どんなにあなたの事を想ってくれる相手であったとしても、そのあなたの苦しみを変わってあげる事は決して出来ないのです。
あなたの足を守れるのはあなたしかいません。
足が痛くなってしまう原因を明確に探し当てる事が現在の痛みを早く取り除き、根本から治療する方法を見つけ出す事に繋がります。
痛みの元となっている原因を正しく理解して下さい。
靴擦れを悪化させる靴の特徴
まず、
靴ずれになる原因としてあげられる一番の原因は、
●靴のサイズが小さ過ぎる
●靴のサイズが大き過ぎる
という事です。
靴ずれの原因としては一般的に
「 靴が小さいから足の皮がスレてしまって痛い 」
というように考えられているようです。
小さい靴の内側から足が革などにぶつかって圧迫されているので痛くなる原因としてイメージがしやすいです。
しかし厳密に考えるとこれは
「擦れる」というより靴が足に当たって痛い
という現象です。
靴擦れとは、実際には小さめの靴に起きるのではなく
「 靴が大きすぎる事が原因 」
で生じるケースが多いと言えます。
特に日本人の方は甲高幅広の足の形をしていますので、革靴などは大きめサイズを選ぶ方がかなりいます。
しかし、
大きめの靴を履いて歩行すると靴の中で足の遊び(空間)ができてしまうのです。
特にカカト部分などは常に動いて、歩く度に足の皮が擦られている状態となります。
さらに新品の靴の場合は革も堅めですので摩擦に皮膚が負けて、
「皮がむける」「出血する」
といった事態に繋がります。
カカトの皮がむけてしまう場合は靴が大きすぎないか確かめてみて下さい。
自分の足の骨格の大きさを理解しておく
そして、
靴の大きさだけではなく自身のカカトの形(骨格)で靴ずれになりやすい方もいます。
これはどういう事かというと足の長さは靴に合っていたとしても
「かかとの骨の大きさによって既成の靴に合わないケース」
が、往々にしてあるという事です。
特に、欧米のブランドの靴を選ぶ場合に良く見られます。
日本人の足のかかとの大きさは欧米の方に比べて小さめです。
ですので、
足の長さで欧米の靴を選ぶとかかとがゆるくて、歩いていると脱げ易い傾向があります。
歩行の際にかかとがパカパカずれてしまうという事ですね。
それとは逆に、
靴のかかとが小さすぎると歩行の際、アキレス腱に革が食い込み圧迫されて痛みが生じます。
かかと周りがキツ過ぎても良くないのです。
生まれつき一般の方よりもカカトの骨が大きかったり、小さい方などはどんな靴を選んでも靴ずれしてしまう事が多いです。
骨格を治す事はできませんので自分の足の特徴として個性を良く理解しておく事が大切です。
ちなみに、
女性の方が男性用革靴の小さめサイズを選んでもなかなかうまく履けない理由は、この踵の骨の大きさが原因となります。
それについては過去に詳しく記載した記事がありますので参考にしてみて下さい。
靴擦れは履いているうちに治るものなのか?
靴ずれは新しい靴を履くと多く起こる現象であるために、革が堅い事だけが原因だと思っている人も多いようです。
「しばらく我慢すれば革が伸びて柔らかくなり、靴が足に馴染んで痛くなくなる。」
と考え、最初のうちは痛いのを無理に我慢している人もかなりいます。
昔、アメ横でレッドウイングのブーツを売っているおじさんなどはピタピタで痛いぐらい小さい品を無理に勧めていました。
「革は絶対に伸びるんだから最初は小さめを履くものだ!」
というような理屈だったみたいですね。
僕の先輩はそれで小さめのブーツを勧められるままに購入したのですが、結局痛くて全く履けずにお金が全部無駄になっていました。
実際に、革で出来たシューズは履いているとそのうちに伸びて来ます。
新品で買った当初より
靴が足になじんでくるのは事実
です。
なので、最初は靴擦れしていた靴も履いているうちに、痛くなくなるケースというのはとても多く見られます。
しかし、いくら革が伸びるといっても小さすぎず、大きすぎず自分に合った丁度よいサイズ感の靴を最初から選ぶようにして下さい。
靴がなじむまでの間に血が出たり、皮がむけたり足に怪我をしてしまっては元も子もありません。
先ほどお伝えしたような骨格が合わない靴に関してはどんなに履き込んでいっても足に馴染む事がないのです。
ただ、日本は資本主義国家です。
恐ろしい事ですが、販売側の人間が革の性質を利用して小さい品でも無理に勧めてきたりします。
売れ残っている小さめの靴を
「革は伸びるからこれ位のサイズでいいんだ!」
と言って売り上げの為に押し付けてくる、という事ですね。
販売側が売り上げ重視であなたを食い物にしようという悪意を持っていたら困ります。
革靴というのは実際に履いていると伸びてくるだけにプロの店員に言われると惑わされやすい所です。
なので、自分の正しいサイズを足の感覚で覚えておく事がとても大切です。
それでも、靴の大きさで迷った時、どうしてもその場で選ばなくてはならない時は
靴のサイズ表記ではなく、実際に足を入れて歩いた時の自分自身の感覚を判断基準
にして下さい。
これまでに履いていたサイズの先入観があるので、
記載の数字に惑わされる事が多い
です。
販売員の方の説明があなたのメリットになっておらず、しっくりと納得できないものであるならば、自分の足の感覚を信じたほうが無難です。
かかとの靴擦れを起こさない革靴の選び方
話が少しずれてしまいましたが結局サイズがきちんとあった靴を選ばないと、大きくても小さくても靴ずれはできてしまいます。
ではここで特に
「カカトの靴ずれ」
を起こさないための靴選びのポイントをお伝えしていきます。
ステップ1
ヒモ靴を選ぶ。またはベルトやストラップで足の甲部分を固定できる靴を選ぶ
ステップ2
靴ヒモを緩めた状態でカカトと靴の間に適度なゆとりがあるサイズを選ぶ
ステップ3
足のかかとを靴の後ろ側にぴったりと合わせた後に靴ひもをしめた後、多少の隙間が出来るものを選ぶ
この3つのステップとポイントに気を付けて下さい。
歩行時に靴の中で足が動かないようする為にはヒモ等で余分な空間を閉じて足と靴を一体化させる事が重要です。
ですので、
ステップ1では紐靴、もしくはストラップシューズを選びます。
そして、ステップ2ではまだ靴ひもを閉めていない段階で靴の前方に向かって足を入れてみてカカトと靴に隙間がある事を確認します。
この段階で既にカカトと足に隙間がない状態だと歩いた時にキツくて痛みが生じます。
最後に、ステップ3では靴ひもを閉めた状態からカカトと靴にできる隙間を確認します。
この場合の適度な隙間ですがカカトと靴の間に小指を差し込んで第一関節までがちょうど入る位が目安です。
参考にしてみて下さい。
靴擦れを起こしやすいローファー
ここまで靴擦れを防止するための施策としてヒモ靴をお勧めしてきました。
しかし、実際に靴擦れを起こしてしまった靴についてはヒモ靴だけではない事でしょう。
実は靴ずれを起こしやすい靴の種類の一つにローファーがあげられます。
ローファーの長所はヒモを結ぶ必要がないため簡単に靴を履く事ができるという点にあります。
しかしその反面、
足を靴の甲の部分で軽く押さえ付けるだけで歩くことになりますので歩行時のカカトの動き(=擦れ)が大きくなります。
革がソフトなものはまだ良いのですが、革が堅い物は紐靴に比べ靴ずれを起こす可能性が高くなります。
学生さんの制服としてよく履かれるガラスレザーのローファーなどはその典型です。
ハルタさんなどのローファーで有名なピカピカ光る革質のものはガラスレザーだと思って下さい。
では、ここからは実際に靴擦れを起こしてしまったローファーに対する具体的な処置についてお伝えしていきます。
強い痛みの為、使用できなくなってしまったローファーもこれらの対処方法を施す事によって痛みを感じる事なく再び履けるようになる可能性が充分にあります。
是非、試してみて下さい。
ローファーのサイズが大きい場合
まず、ローファーを履いていて靴擦れが起きる原因としてサイズが大きい場合を考えてみます。
この場合は靴と足の間に余分な空間が開いていて歩く度にずれる事が擦れの原因となります。
ですので、対応としてはその空間を埋めるという方法を取ります。
ちなみに、ローファーは紐靴のようにシューレースで空間を閉じる事ができません。
しかし、革は履いていると伸びてきますし新品で購入した革靴に関しては履いているうちにインソールの沈み込みが発生します。
それらの理由から新品で購入したローファーに関しては、ほぼ確実に試着時より緩くなる点を覚えておいて下さい。
カカトが擦れる場合の対応方法
これからご紹介する対応方法はローファーに限らず革靴等にも応用できます。
まず、カカトがパカパカ脱げてしまったり擦れて痛い場合の処置ですがそのカカト部分にパットを貼ります。
【M.モゥブレィ】
ソフトヒールグリップ
こちらはカカト部分に貼り付けて使用するパットです。
カカトを包み込むように両サイドからしっかりとホールドして歩行の際に靴が脱げる事を防ぎます。
また、低反発クッションを使用していますので接触する部分がとても柔らかい感触です。
カカトが革と擦れて痛い場合にはこれを装着する事で即座に苦痛から解放されます。
注意点としては貼り付けた後、靴を履くときにきちんと靴ベラを使用してパットを押さえながら足を靴に入れる事です。
こちらは両面テープで側面に貼り付けて使用するパットです。
簡単に剥がれる事はないのですが、靴を脱ぎ履きする度にカカトでパットを擦るようにしていてはどんなシールでもすぐに取れてしまいます。
注意しながら気を使って足を靴の中に入れるようにしてください。
甲と靴に隙間が開いてしまう時の対策
最初は丁度良いサイズだったローファーでも履いているうちに甲の部分に隙間が出てくる事があります。
アッパーの革が伸びたり中底が沈み込んだりした為です。
甲の部分の隙間を処置する方法としては2つあります。
まずタンの裏側に
●レザータンパットを貼る方法
【club VINTAGE】
レザータンパッド
もう一つは
●インソールを靴の中に敷く方法
コンフォートドライ
です。
このレザータンパッドを貼る方法、もしくはインソールを敷く方法のメリットについては過去の記事で詳しくご紹介していますのでこちらを参考にしてみて下さい。
このレザータンパッドを貼る方法については、ベロ裏の部分の縫い目などが当たって痛い場合にも効果を発揮します。
パッドがクッションとなりベロ裏の縫い目が擦れる事で生じる足の甲の痛みを解消してくれます。
また、レザータンパッドを貼ると甲の部分の厚みが増すので足が靴の中で後方へ押さえられる形になります。
その為、かかとの抜けも改善されるようになります。
先ほどのソフトヒールグリップと併用するとカカトの抜けもかなり矯正される結果となりますので試してみて下さい。
ローファーのサイズが小さい場合
さて、
ここまでは靴のサイズが大きくて隙間ができる靴に対しての靴擦れ防止策をお伝えしてきました。
ここからは靴が自分の足よりも小さい事が原因で起こる痛みに対しての対策です。
靴が小さくて痛い場合には擦れるというよりも当たっているという現象になるかと思います。
これには2つの対応方法があります。
一つは
● 当たる部分を柔らかくする
(伸ばす)
二つ目
● 当たる箇所を保護する
です。
一つ目の
「当たる部分を柔らかくする」
ですが、これは物理的に革へ手を加えるしか方法がありません。
足が痛みを感じなくなるまで靴の方を「伸ばす」、「柔らかくする(なじませる)」、とも言えるでしょう。
そのための対応策ですがこちらの記事で具体的なやり方をご紹介しています。
こちらは部分的に痛い箇所がある場合の改善方法となります。
全体的に靴そのものをある程度大きくしたい場合には街の靴修理屋さんに持っていきストレッチャーでサイズ調整してもらう方が良いでしょう。
厚めの靴下や絆創膏を使用する
そして二つ目は
「当たる個所を保護する」
方法です。
これはすでに厚めの靴下を履いたり、当たって痛い個所にバンドエイドを貼ったりと、これまでにも何かしらの対応をされてきた事があるかもしれませんね。
痛みの生じる部分を保護しながら靴を履き続ける事で、革が伸びてなじんでくるのを待つ、という方法です。
しかし、既に小さめの靴にもかかわらず厚手の靴下を履くとさらに靴が窮屈に感じてしまう事と思います。
これも具体的な道具を過去の記事でご紹介していますので参考にしてみて下さい。
くるぶしが靴に擦れて痛い時
そして、靴の大きさにかかわらず痛みが生じる靴擦れとしては
「くるぶしの下が当たって痛い 」
という症状があると思います。
両足のくるぶしが痛いならまだしも不思議な事に片側の足だけが痛くなったりするので困ってしまいます。
この症状は革靴に特別な処置をしなくても履いているうちにいつの間にか革がなじんで気にならなくなる事が多いです。
なので、経験上、痛いのを我慢して履いている方もいるかもしれません。
でも、革靴がなじむまでその痛みを我慢するのはとても辛いです。
くるぶしの下が擦れて傷つく場合にはカカト下にハールソールの中敷きなどを入れてくるぶしの高さを上げて下さい。
当たる部分がずれるので痛みが無くなります。
そして、
【M.モゥブレィ】
デリケートクリーム
を当たる部分に内側と外側からたっぷりと何回か塗り込んで革を柔らかくする方法もあります。
その上で当たる部分の履き口を手でワシワシと揉みながらほぐし、当たりをソフトにします。
これだけで痛みが嘘のように無くなる事も多いです。
そして、痛みがある足の部分に絆創膏を貼って革がなじむまでやり過ごしてみて下さい。
これらの施策を同時に行えばくるぶし下が擦れて痛くなる現象は解決できると思います。
足の裏が擦れて痛い場合
足の裏というのは基本的に他の部分の足の皮よりも厚く擦れによる水ぶくれなどにはなりにくい箇所です。
ですので、靴擦れで皮が破れずに硬くなりタコやウオノメになったりします。
しかし、もちろん足の裏も擦れて痛くなる事があります。
特にヒールを履く女性の方に多い症状は
足裏の人差し指や中指の付け根辺りが痛くなる、タコやマメがある
と、いう現象です。
この場合はほぼ間違いなく
「開張足」
になっていると思われます。
人の足裏を支える3つのアーチが潰れてしまっている状態です。
開張足に関してはこちらの記事を参考にしてみて下さい。
開張足になって足裏が擦れる場合はパットを使用してアーチをサポートしてあげる事で痛みを取り除きます。
実は店長青山も開張足ですのでアーチサポートインソールを使用しています。
【M.モゥブレィ】のR&D社が出しているインソールですが足の裏から3つのアーチをサポートして持ち上げてくれる上にメッシュ素材なので蒸れなくて快適です。
外反母趾や開張足などの障害
このように足裏が擦れて痛い場合に関しては、その靴と足との相性の問題というより
「足自体に問題がある」
「靴の形そのものに問題がある」
ケースが、考えられます。
足に問題があるというのは開張足や偏平足であったり外反母趾やハイアーチ、ハンマートゥなど、足の形状に障害が見られるケースです。
このようなケースの場合には足のトラブルから全身の不調に繋がる事が多いです。
足のトラブルはあなたの健康問題に直結します。
なにか足に不調を感じる場合は迷わず、速やかに専門のお医者様に診てもらう事をお勧めします。
そして、
「靴の形状に問題がある」というのは本来の用途でないシューズを着用すると足に障害が起こるという事です。
「ハイヒール」や「ビーチサンダル」など、本来は違った目的のシューズで固いアスファルトやコンクリートの地面を長時間歩くと、確実に足や身体に悪影響を及ぼします。
これは靴擦れとかの問題以前に身体に障害を残す原因となりますので根本的に用途を見直す事から行ってください。
と、いう事で今回は
「靴擦れ」
をテーマにお話をしてきました。
足の痛みはとても辛いものですので我慢するより先に改善策を探して少しでも気持ちよく過ごせるように工夫をしてみて下さい。
それではまた!