店長青山です、
今回はスムースレザーやスエードの革靴に油ジミや油汚れが付いてしまった時のお手入れの方法についてお伝えして行きます。
汚れやシミの成分に油が含まれている場合の対応方法です。そして水性のシミについても処置の仕方を詳しく記載します。
ここで少し想像してみて下さい。日常生活において靴に油性の汚れが付いてしまうのはどのような場面だと思いますか?
これは意外な事かもしれませんが、実はよくあるケースは「食事」の場面なのです。
革靴に油ジミが付いてしまう場面は「食事」の時
外食の際に唐揚げなどの揚げ物や天ぷら、または炒め物とかピザに乗っていたトッピングなどをテーブルから床に落としてしまった経験はありませんか?
またパスタやハンバーグのソース、ドレッシングなど、食べる際に予期せずして汁を飛ばしてしまった事はないでしょうか?
これらにはいずれも油分が含まれています。革靴などに付けてしまった場合、油分が浸透して定着してしまうので落とすことは容易ではありません。
ですので、このように革靴に油汚れた付いてしまった場合、まずは素早く処置を施して下さい。
革についた油シミは初期対応がとても大事 です。
時間がたてば経つほどシミは取れにくくなります。
油ジミがついた場合は中性洗剤で軽く叩く
この際の処置ですが、油性のシミが付いてしまった場合には台所用の中性洗剤を水で泡立てて、タオルや布で軽くたたいて油を浮かせると効果的です。
台所用の中性洗剤は油を浮かせる力があるので油性のシミには効果が高いのです。
ですが、革靴を履いて外出している時にはこのような処置をすることが難しいかと思います。
その場合はまず水でたたくという処置だけでもその場で出来る限りしておいてください。
そして、自宅に帰宅したのちに台所用の中性洗剤で改めてシミ抜きをするようにしてみて下さい。
その後は市販の革靴用クリーナーでシミ抜きを試みると一定の効果が期待できます。スムースレザーの時は
【サフィール】
【RenoMat Remover】
を使用してみて下さい。市販の品においては最強のリムーバーだと思います。
レノマットリムーバーについては過去に詳しくご紹介している記事がありますのでこちらを参考にして下さい。
●参考記事
【M.モゥブレイ】を裏切ります・・・
スエード靴の油シミにはクリーナー
そしてスエードの皮革に油汚れが付いてしまったしまった際には市販のクリーナーも使用できます。
そのような時には油汚れ落とし専用の製品を使う必要があります。具体的に使用するアイテムとしては
【M.モゥブレィ】
スエードクリーナー
を選択してください。
こちらはスエード皮革にダメージを与えないよう研究、開発された汚れを落す能力が高いスプレーです。
このスプレーを吹きかけて軽く拭くだけで、手軽に油性の汚れなどを落とす事ができます。
衣類の洗濯に例えれば、この後にご紹介する
スエードシャンプーが「水洗い」
スエードクリーナーは「ドライクリーニング」
と考えて頂ければイメージしやすいと思います。
ドライクリーニングとは水を使わずに有機溶剤(石油などの油系のもの)を使用するクリーニング方法です。
お洋服のクリーニング店だとほとんどこの方式が採用されています。水を使わないため、衣類の型崩れや縮みなどが起こりにくいことが特長です。
スエードクリーナーはドライクリーニング方式なので素材の表面を軽く布で拭くだけで油系の汚れを落とす事ができます。
水洗いで起こりうる皮革の伸縮もほとんどないので、日常的に行うスエード靴のケア商品としても最適なのです。
絶対に革靴に付けたくない「焼き肉のタレ」
ちなみに、汚れが落ちにくい油性のシミとして特に気を付けておくべきシミがあります。
それは「 焼肉のタレ 」です。
「焼肉のタレ」には油の他に成分として果汁が含まれています。これは油性のシミの中でも浸透してしまった場合シミを抜くのがかなり困難になります。
焼肉を食べに行く時には「お気に入りの革靴を履いていかない」などあらかじめ注意しておいた方がいいかもしれません。
焼肉を食べる際には革靴にも気を付けておいてください。
革靴にワインやジュースのシミを付けた場合
そして、シミには『油性』の他にも『水性』のシミがあります。
「洋服にワインやジュースをこぼしてシミになってしまった…」
というような経験があなたにもあるかもしれません。そしてそれは洋服に限らず革靴においても起こり得る出来事なのです。
そのように何かの物をこぼして革にシミがついてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?
洋服などの繊維と違い、革にシミがついてしまうと「 もうどうしていいかわからない 」となってしまう方は多いと思います。
衣類に何かをこぼしてシミを作ってしまった時
「 水でたたいて応急処置 」
ができる方は比較的たくさんいらっしゃいます。ですが、革製品の場合はどうしてよいのかわからずに対応する事ができません。
革靴や皮革製品の場合、水を付けて処置する事をためらってしまいそのまま放置してしまう事が多いようです。
これは
「 革を水に濡らしてはいけない 」
という間違った考え方が広まっているためと思われます。しかし、実を言うと革製品も対応方法は衣類場合と同じです。
布などに水を含ませてシミを布に移し取るように叩く
コーヒー、ジュース、アルコール類、醤油などは水性のシミの代表です。これらの場合はシミが油分を含んでいません。その場合は
布などに水を含ませてシミを布に移し取るように叩く
このような処置をして下さい。
水でシミをぼかして薄くしていくようなイメージです。この方法で水でたたく早めの応急処置をすればほとんどの場合において濃いシミは残りません。
紅茶や果汁入りジュース、赤ワインは色素が残りやすい
しかし水性のシミの中でも、赤ワインや紅茶、果汁入りのジュースなどは色素が残りやすくなっています。
水を付けて叩いても落ちにくいのですが同じ方法で根気よく処置するようにして下さい。
水性のシミはできるだけ早く水で叩く
油分の含まない水性のシミが革に付いてしまった場合の対応ですが、一番のポイントは
『 できるだけ早く水を使いその場で処理する 』
という事です。シミは時間の経過とともに革の繊維に馴染んで定着してしまいます。時間が経てばたつほど落ちにくくなります。
ですので、シミがついたら出来るだけその場ですぐに対応してください。
革についたシミを抜くコツ(ポイント)は
『シミがついた瞬間から即座に対応をする』
という事なのです。すぐに対応しておくだけで『 シミにならない確率 』『 後でシミが取れる確率 』が格段に上がります。
しかしそれでも落ちない時は革靴を丸ごと水洗いしてしまうのが効果的です。
スムースレザーの場合は
を利用して革靴を洗ってみて下さい。
●参考記事
【塩浮き】した靴の水洗い方法
スエードの場合はスエードシャンプーを利用するときれいになる場合が多いです。
スエードの革靴を水洗いでシャンプーする
【M.モゥブレィ】
スエードシャンプー
●参考記事
【前編】スエードローファーの水洗い
こちらはスエードやヌバックの革靴を水で洗う事が出来る文字通り靴のシャンプーです。
靴を洗うメリットは何といっても革に染み込んだ汗、表面についた泥、雨染みなど “水溶性の汚れ”を落とす事ができるという点にあります。
水には浸透力がありますので、こちらの製品でスエード靴を水洗いするとシャンプーの成分が皮革に染み込んでいきます。
汗、塩分、泥、雨などの汚れを水に溶かしながらすっきりと落としてくれるのです。
また、革は水に濡れると柔らかくなります。乾かす時に靴の形を整えながら干す事で、型崩れした靴のシルエットを直し、シワを伸ばす事も可能です。
このようにスエードやヌバックの靴を長持ちさせるためにスエードシャンプーは必要不可欠なお手入れ用品なのです。
しかし、このスエードシャンプーも万能というわけではありません。
先ほどの様に、油を含んだ食べ物がスエード靴についてしまった時の汚れは、いわゆる“油性の汚れ”です。当たり前ですが油は水に溶けないため、シャンプーでは効果が期待できないのです。
その場合は先ほどもご紹介した、靴のドライクリーニングができるスプレー
【M.モゥブレィ】
スエードクリーナー
で、対応してみて下さい。
それではまた!