間違えやすいレザーソールに
ハーフラバーを貼る理由

halfsole-rubber-3

店長青山です、

先日の大雪は東京でも
かなり積もりましたね。

当日だけでなく、翌日以降
凍った地面で革靴を履いていて
困った方も多かったと聞きます。

このような時に
お客様から頂くのが

「レザーソールの革靴には
ゴム製のハーフソールを
貼った方がいいのか?」

というご質問です。

なぜ、そのように
思われるのかを
聞いてみると

「ハーフラバーを貼った方が
靴が滑りにくくなるから」

というお考えのようです。

この、

「革底にハーフラバーを
貼るべきなのか
そうではないのか?」

というのはよく聞かれる問題です。

さて、

あなたはどう思われますか?

店長青山の見解を先に
お伝えしておくと

「ハーフラバーを張る一番の目的を
滑り止めにするべきではない」

という意見です。

それについて今回は詳しく
お伝えしていこうと思います。

革底にゴムのハーフソールを貼る目的

ここでちょっと
想像してみて下さい。

あなたは美味しい

「塩ラーメン」

が食べたくなったとします。

街に出て塩ラーメンが
食べられる店を探していたら
二つのお店がありました。

一つのお店は塩ラーメン専門店です。

「うちはメニューに塩ラーメンか、
塩のつけ麺しかないよ!」

という店。

もう一つは定食屋さんです。

「塩ラーメン?ありますよ!

ラーメンは塩としょうゆと
味噌と豚骨があって、
つけめんもできます。

蕎麦もカレーもスパゲッティもあるし
ハンバーガーやオムライス、唐揚げも
お子様ランチもあります。

先週からケーキセットも
始めました!」

と、いうお店。

あなただったら、
どちらの店に行くか迷いますか?

普通に考えたら

「塩ラーメン専門店」

ですよね?

なぜならば目的は

「美味しい塩ラーメンを食べる事」

だからです。

迷いようがありません。

でも、

「カレーと唐揚げ、お子様ランチと
ケーキセットも美味しそうだし
何を食べていいのか分からない!」

とあれもこれも求めて
迷っていたら、定食屋さんに
行くと思います。

ただ、

定食屋さんの塩ラーメンは
専門店より絶対に
美味しくないでしょうけどね。

目的が一つに定まっていないから
塩ラーメンが美味しくない
定食屋さんへ行ってしまうのです。

これと一緒で

ハーフソールを革靴に
貼った方がいいのかどうか
迷っている人は貼る目的が一つに
絞られていません。

目的を一つに絞れば
自分の革靴にハーフラバーを
貼った方がいいのか、
そうではないのかが自ずと答えが
出てきます。

そして、

今回はここでハーフラバーを
貼るための指針をお伝えします。

あくまでも店長青山の
個人的な見解ですので
全ての方の革靴に対して
正しい訳ではありません。

それを踏まえた上で
参考にしてください

ハーフラバーを革靴に貼る
一番の目的は

「レザーソールの減り防止」

に絞るべきなのです。

ハーフラバーは

「革底の耐久性を高める」

為に貼る事を目的の一番に
してみて下さい。

そう考えれば自ずと答えは
でてきます。

ハーフラバーは滑り止めにならないのか?

このようにお伝えすると

「ハーフラバーは滑り止めに
ならないのかっ!?

実際に滑らないじゃないか?

お前はおかしい!
間違っている!!」

というご意見が必ず出てくると
思いますので言っておきますが

レザーソールに
ハーフラバーを貼った方が

滑り防止になります。

レザーソールにハーフラバーを
貼った方が貼らないよりは
確実に滑らなくなります。

レザーよりゴムの方が
地面をとらえるグリップ力が
高いので貼った方が
滑らなくなるのは事実です。

ですので、

滑り止めとしての効果は
実際にあります。

誤解しないで頂きたいのですが
店長青山が言いたいのは

「ハーフラバーを貼る一番の
目的を滑り止めにしない」

という事なのです。

何故か?

ここで少し考えてみて下さい。

革靴に限らずとも
あなたは今までに歩いていて
滑ってしまった事が一度や二度は
あると思います。

その時なのですが、
どのようなシチュエーションでしたか?

よーく、思い出してみて下さい。

恐らくなのですが

「歩いていて一歩踏み出した足が
地面に着地した瞬間に滑った」

のではありませんでしたか?

多くの場合、歩いていて
滑るのはこのような
状態の時だと思います。

前に踏み出した足に体重が
移動する過程で靴が滑って
バランスを崩したり
転んだりする事が多いのです。

歩行の際に

「後ろに残した足が
滑った事が原因で転倒」

このようなケースは
ほとんどないと思います。

では、

「歩いていて前に送り出した
足が滑った時」

何が起きているのか
もう少し考えてみます。

靴が滑るのは実を言うと
ほとんどの場合において
踏み出した前の足が

「地面に着地した瞬間」

です。

前足に完全に体重が移動してから
滑る事はあまりありません。

と、

いう事は何が起こっているかというと
ほとんどの場合

靴のカカトが
地面についた瞬間に
滑り始めている

のです。

あなたは普段、歩いている時に
つま先から着地していますか?

違いますよね?

人間はかかとから着地して
足の裏全体で地面をとらえてから
反対の後ろ足を前に送り出した後、
つま先で地面を蹴って
次の一歩に移っていきます。

この事で何をあなたに
お伝えしたいのかというと、

靴が滑る時というのは

靴の前半分が
地面に接地するより前に

すでにカカトでコケている

という事なのです。

わかりますか?

靴底の前半分がレザーだろうが
ラバーだろうが関係なく、
カカトの着地段階で
すでに滑っている

この場合が大多数、という
事実なのです。

滑り止めを目的として
ゴムのハーフソールを
靴底の前半分に貼ったとしましょう。

しかし、

その部分が着地する前に
すでにカカトでコケてしまっていては
ラバーの意味は全くありません。

「靴が滑るのを防止する」

これを一番の目的とするならば
ハーフラバーを貼る事よりも
まず優先して考えるべき事は

カカトが滑らないようにする事

なのです。

ハーフラバーを考えるのは
その後です。

カカトのトップリフトをラバーに変える

もし、

靴の滑り防止を考えるのであれば
まずはカカトのトップリフトが
滑らないか確認して下さい。

トップリフトというのは
カカト部分で地面に接地する
位置についている部品の事です。

この部分が減ってしまってたり
極端に削れてしまっていると
それが原因で靴が滑る事にも
つながります。

トップリフトは通常、
ゴム製の物で出来ていますが
中にはレザーで出来ていたり、
半分だけがゴムのカカトになっている
革靴があります。

toplift

ビンテージの革靴でよくあるのが
【V-Cleat】とよばれる三角形の
金属製の部品が付いている物です。

これは歩く際に非常に滑りやすいので
滑り防止の意味ではゴムのトップリフトに
変えた方がいいでしょう。

ビンテージの【V-Cleat】は
雰囲気があって本当にカッコイイです。

しかし正直に言えばゴム製の
トップリフトの方が
歩きやすいのは事実です。

toplift-4

また、

カカトに金属製のヘリ止めを
装着していると、カカトの減りを
押さえる効果はとても高いのですが
非常に滑ります。

そして、

現代の革靴でも高級な靴になるほど
よくみられるのが、カカトの半分だけが
ゴムになっている仕様の物です。
toplift-1

toplift-3

このようなカカトの形状の場合、
ハーフラバーを靴底の前面に
装着するよりも、カカトの全面を
ゴム製のトップリフトに替えた方が
滑り防止の観点からすると
効果が高いと思います。

top-lift-1

このようにかかとが全て
ゴムでできたトップリフトに
替えた方が滑り防止の意味では
費用対効果も高いはずです。

top-lift

もしこのようなレザーソールの
革靴を滑りにくくしたい場合は
まず、カカトをゴム製の物に変えてから
ハーフラバーを貼る事を考えてみて下さい。

改めてお伝えしておきますが
ゴム製のハーフソールに
滑り止めの意味がない、と
言っている訳ではありません。

ハーフラバーにすれば
レザーソールの革靴が
滑りにくくなります。

これは確実に効果があります。

しかし、それを考える前に
まずはカカトのトップリフトを
チェックしてみて下さいね、
という事なのです。

この順序を守ったほうが
お金をかけずとも、
滑り止めの効果が高くなります。

革底にハーフラバーを貼るメリット

では、

レザーソールにゴムの
ハーフソールを貼る一番の
メリットについてです。

これは先にもお伝えしましたが

●革底の減りを防止する
●レザーソールを長持ちさせる

という効果が最も期待できる
役割であると店長青山は
考えています。

leathersole-stitch

特にグットイヤーウェルテッド製法などで
作られている革靴の場合、靴底には
出し縫いと呼ばれる糸が出ています。

leathersole-stitch-2

セメンテッド製法などソールを
接着剤で貼り付けている以外の
革靴であればこのような出し縫い糸が
見える事が多いと思います。

ここにラバーのハーフソールを
上から貼る事によって、このステッチを
ゴムで被せて隠す事が出来ます。

この糸は歩行の際の
摩耗によって履いているうちに
切れてきてしまいます。

leathersole-stitch-4

なので
ハーフラバーを貼る事により
保護する事が出来れば
靴底も長持ちするのです。

ただ、

出し縫いの下糸が一部切れたからと
いって、靴底がすぐに
剥がれてしまうかというと
そんなことはありません。

糸が切れているからと
いって全ての靴をすぐに
ハーフラバーにする必要は
ないのです。

その必要はないのですが、

でも、糸が切れないに
越したことはありませんので
保護するメリットは大きいと
思います。

ゴム製のハーフソールは革に比べて
耐久性もあるので、アウトソールが
減ってきて薄くなるのを
防止する事もできます。

「アウトソールを長持ちさせる」

これが靴底の表面にラバーを
貼る一番のメリットであると
店長青山的には考えています。

ハーフラバーを貼るタイミング
新品の靴にはありなのか?

ここまでで、

ハーフラバーをレザーソールに
貼るメリットというのは
お分かり頂けたかと思います。

では

「ハーフラバーをレザーソールに
貼ると長持ちする事は分かった。

じゃあ、一体いつ、
どのタイミングで貼ればいいんだ?」

という事になると思うのですが
これはお好きなタイミングで、としか
お伝えしようがありません。

せっかくのレザーソールですし
その革靴本来の履き心地を
楽しみたいという気持ちも
あるでしょう。

ですので、

最初のうち、しばらくは
レザーソールの履き心地をオリジナルで
楽しんでからハーフラバーを貼る

というタイミングも
とてもいいかと思います。

逆に、

「ハーフラバーを張る一番の目的は
アウトソールの保護だから
新品の状態で貼るべきなのでは?」

というご意見もあるかと思います。

全くもっておっしゃる通りです。

アウトソールを長持ちさせる事を
考えるのであれば、新品の状態で
貼るというタイミングが一番いいと
思います。

新品の状態でハーフラバーを
貼る事にはもう一つメリットがあって
それは

「つま先が削れていない状態」

の段階でラバーを貼る事ができる
という点です。

革靴を新品からおろして履く時に
最も早くアウトソールで
削れてしまうのはつま先です。

レザーソールの返りがまだ
ついていない状態から歩くので
どうしてもつま先が削れて行きます。

堅牢なダブルソールの靴や
トリッカーズなどのアウトソールが
硬い靴などはあっという間に
革のつま先が削れる事となります。

このつま先の削れ具合が
大きくなった後にハーフソールを
貼ろうとすると、まず、そのつま先の
削れた分を補修してからラバーを
貼る必要があります。

そうすると、

ハーフソールの工賃プラス、
つま先の補修分のコストが
かかるので、お金が余分にかかって
しまう事になるのです。

新品からハーフソールを貼ると
つま先の削れを気にしなくて良い、
というのが一つのメリットと
言えるでしょう。

なので、

この辺りはあなたのお好みで、
という風にお伝えしておきます。

ちなみに、

新品の状態でラバーソールを貼ると
ソールの返りが悪くなる

というデメリットを挙げる方が
います。

確かにそういった面は
否定できません。

が、

この新品の靴に対する
アウトソールの返りについては
ハッキリ言って

日本人の認識が
完全に間違っている

と、店長青山は考えています。

新品の靴の返りについて
店長青山と同じ考えで実際に
同じように実践している、

というお客様には
今まで出会った事がありません。

その内容については
こちらの記事で詳しく
記載していますので
読んでおいて下さい。

新品の靴の返りが悪い原因は全てあなたです

ハーフソールを貼る目的は減り防止

革靴のお手入れの際にも
言える事なのですが、
靴に対して行うケアに対して
目的をきちんと明確にしておく
必要があります。

店長青山的には
ハーフラバーを貼るのであれば
レザーソールのヘリ防止を
目的にする事をお勧めいたします。

これを無視してあれもこれもと、
幾つもの役割をハーフソールに
求めるとトンチンカンな事になります。

例えばこれも
結構よくある話なのですが

ハーフラバーを貼ると
靴の通気性が無くなるから
ハーフソールはレザーで行う

という方がいます。

革のハーフソールが
悪いというわけではありません。

レザーのハーフソールに
通気性を求めている事が
問題なのです。

いいでしょうか?

ハーフソールというのは
貼るものがゴムであれ、革であれ
レザーのソールに対して

「接着剤を使用して貼り付ける」

物なのです。

取り付ける部分に対して
一面全部に接着剤を塗りつけてから
ハーフソールを貼って乾かします。

そうするとどうなると思いますか?

革そのもの自体には
通気性がありますが固まった
接着剤には通気性がありません。

なので、

革だろうがゴムだろうが関係なく
接着面の部分で通気性は
期待できないのです。

通気性を求めるのであれば
ハーフソールではなく、
オールソール交換にすべきです。

これも、

ハーフソールに減り防止以外の
目的を同時に求めた結果
やってしまう間違いです。

後、これも
実際にお客様から相談されたお話
なのですが

「滑り止め防止のために
革靴にゴムのステッカーを
貼るのはどうでしょうか?」

というご質問を頂いた事が
あります。

滑り止め防止ステッカーですね。

「悪くはないと思いますし、
それでお客様がご満足なら
良いと思います。

自分で貼ればコストも
かからないと思いますし。

ただ、

滑り止めが一番の目的で
ゴムを付けるならハーフラバーの方が
まだ面積が大きくて良いのでは
ないでしょうか?」

と、お伝えしました。

本来、ハーフラバーは減り防止で
取り付けるのを目的としたい所です。

ですが、

ゴムを取り付けて靴を
滑らなくするのがお客様の
第一目的であればステッカーより
面積の大きいラバーソールの方が
良いかと思うからです。

「ステッカーではアウトソールの
前面全てをカバーできませんし、
どうせならハーフラバーで革底を
保護してしまってはいかがですか?」

とお伝えしました。

そうすると

「ハーフラバーではソールの返りが
悪くなるし、ステッカーの方が
返りが良いので」

と言われます。

「返りというのは歩行の際に
靴が屈曲する事によって
生じるものなので、貼り付けた
物体その物が原因でそうそう
ステッカーとの差が出る事でも
ないかとは思うのですが・・・。

と、言うより返りが
欲しいのであれば靴を手で
曲げてから履けばよいのでは
ありませんか?」

とお伝えすると、

「最初はステッカーを貼って
後でハーフラバーにするつもりです」

と、言われました。

お客様がそれでご満足ならば
良いと思いますし、当店で
ハーフラバーを請け負っている訳では
ありませんのでそれ以上、
深く掘り下げる事はしませんでした。

ですが、

最初にステッカーを取り付けてから
後で剥がしてハーフラバーをまた
貼るというのはどうにも、
二度手間のような気がします。

ステッカー代もかかりますし
ハーフラバーまでの間
ステッチの糸は保護できません。

修理屋さんに頼むのであれば
結局2回分の工賃代が
かかる事になります。

「一人のお客から1足で2回
金を取ってやろう」

という事でチェーン店の
修理屋さんに言われたのであれば
すごく可哀想です。

これも革靴に対して行う施策の
目的がぶれてしまっている
例だと思います。

ゴムを張る事で
滑らなくしたいのであれば
最初からハーフラバーでも
いいかと思いますし、

返りを良くしたいのであれば
こちらの方法で簡単に解決できます。

※新品の靴の返りが悪い原因

と、

いう事で今回はレザーソールに対する
ハーフラバーについてお伝えしてきました。

レザーソールというのは
革靴を履く醍醐味の一つだと
考えています。

ハーフソールを貼るにしても
そのままの履き心地を味わうにしても
ご自身の目的をしっかり持って
ケアして頂けると長く楽しめると
思います。

是非、

ご自身の革靴でいろいろと
試してみて下さい。

それではまた!

※ お勧め参考記事
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