店長青山です、

革底のお話を続けていきます。

レザーソールが
乾燥している事による
弊害はさらにあります。

ソールの厚みにもよりますが
革底の靴は

「 返り(歩くときの靴底の反り 」

が良くないと履き心地が
悪いという事があります。

その点から言っても革のソールには
適度に潤いと柔軟性があったほうが
いいです。

「返りが良くなりすぎると
アッパーに履きジワが入り過ぎる」

意見があるようですが
靴という足を守る道具の構造上
「履きジワ」が入ることは
避けられません。

シワが気になるようであれば
ソールの硬さを気にするのではなく、
きちんとシューキーパーを入れる
ようにしてして下さい。

また、

「革底が柔らかくなりすぎると
ソールの減りが早くなるので
よくない」

という人がいますが
恐らく頭の中のイメージだけで
勝手に話を「ねつ造」しています。

「柔らかい物の方が
硬い物よりも早く削れそう」

という考え方なのだと思います。

前回もお話しましたが
革底が減りやすくなる条件は、
ほぼ間違いなく

「革底が乾燥して硬くなっている」

状態です。

想像してみて下さい。

今、手元に拳くらいの大きさの
ボールが2つあるとします。

一つはゴムで出来た

「スーパーボール」

(祭りの屋台で売っている
すごくよく跳ねるやつ)。

もう一つは木で出来た

「 木製の玉 」

です。

これをビルの5階から
コンクリートの地面に向かって
思いっきり投げつけて
落下させたとします。

どちらの方が大きく
傷ついて削れそうですか?

間違いなく

「木製の玉」

だと思いませんか?

スーパーボールより
木の玉の方が硬いですよね?

でも、

硬いと弾力性がないので
衝撃を本体がもろに受け、
その分、削れてしまうのです。

こういった考え方からも
革底には柔らかさがあったほうが
良いという事が理解して頂けるかと
思います。

レザーソールに充分な
潤いと柔らかさを与えることは
とても重要なのです。

覚えておいてください。

それではまた!