店長青山です、
今回で最後になります、
靴のお手入れの基本編。
最後はいよいよ靴全体にクリームを
塗っていきます。
今回は
【M.モゥブレィ】
クリームナチュラーレ
ニュートラル(無色)
を革に入れて行きたいと思います。
で、
ときおりお客様に聞かれることが
あるのですけれども、
「穴にクリームが
入り込んでしまった時には
どうすればいいでしょうか?」
というご質問を受けます。
これに対するご返答は
「つまようじなどで一つ一つ丁寧に
穴からほじくり出してください。」
というものです。
この時には気を付けて行ってもらわないと
下にある薄い部分に穴をあけてしまうので
注意が必要です。
では、なぜこのような問題が
起きてしまうのか考えてみましょう。
答えはとてもシンプルです。
「穴の上からクリームを
塗っていくから」
です。
簡単すぎて小学生でも
わかる回答ですね。
でも、意外に皆さんやってしまって
いるのです。
不思議ですよね?
では、それを避けるためには
どうすればいいのかというと
これもまたものすごく簡単です。
「クリームを穴のない靴の
横部分に付けてから、上方向に
塗り広げるようにして
うすく伸ばしていく」
これで穴の中にクリームが
入り過ぎてふさがってしまうような
事がありません。
ちょっとしたことですが、
穴にクリームが入ってしまって
お困りの方にはとても効果的な
対処方法ですので是非試してみて下さい。
これで問題なく全体にクリームを
塗ってブラシをかけ、磨き上げる事が
できますね。
ちなみに、
あなたは靴のタン(ベロ)の部分も
きちんとケアしてあげてますか?
もしやっていなかったらここの部分も
クリームを塗ってあげてください。
そして、この部分のクリームにも
一つだけ注意点があります。
恐らくなのですが、通常茶色の靴の時は
全体に茶色のクリームを使用しているので
タンの部分も茶色のクリームを
塗り込むことになると思います。
ですができればこの部分は
ニュートラル(無色)のクリームを
使用してください。
その理由は2つあります。
一つには色付きのクリームを使用すると
タンに接触する部分の靴のライニングに
色が移ってしまうからです。
そして、
もう一つの理由は何だと思いますか?
少し考えてみて下さい。
それはですね、
「元々の靴が持っていたオリジナルの
革の色を残しておきたいから」
です。
色付きの靴クリームを使用していると
どんどんそのクリームに革の色が
近づいてきてしまうのです。
元々はどんな色目をしていたのかが
わからなくなってしまうと、以前その靴が
持ち合わせていた雰囲気を
再現できなくなってしまいます。
その時に、靴のタンの部分だけは
もともとのオリジナルの色目を
残しておくと最初の色の見本があるので
いつでも再現する事が
できるようになります。
特に必要ない時は気にする事も
ありませんが、覚えておくと
役に立つ時がきっとあると思います。
こちらのテクニックも
是非、参考にしてみて下さい。
で、
ブラシをかけて磨き上げた靴が
こちらですね。
そして最後になりますが、
ここでとても靴の見栄えが良くなる
テクニックを一つお伝えします。
それはコバに色を付けることです。
その際には、【M.モゥブレイ】から
【M.モゥブレィ】
ウェルトクリーム
というコバ専門のクリームが出ているので
それを使用してもらうとベストです。
ただ、そのウェルトクリームを塗る手間が
面倒な時には、
【WOLY】ワックスカラークラシック
を、コバの部分に塗ってしまうと
とても簡単です。
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※「WOLY」ワックスカラー
クラシックは日本で販売終了と
なっています。
こちらの後継モデルは
【M.モゥブレィ】
コードバンクリームレノベーター
となっています。
使用方法は全く同じです。
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ワックスカラークラシックは
フタの部分にスポンジが付いていますので、
これで簡単にコバの部分に着色ができます。
この時のコツは少し下方面から斜めに
スポンジ面を当ててアッパーの革に
クリームが付かないようにすることです。
薄い色のカーフレザーなどに
クリームが付くと、すごく目立つ事に
なりますので注意が必要です。
でも、前回の話を聞いてきてくれた
あなたならお分かりですよね?
アッパーにクリームが
付いてしまった時には
どうすればいいと思いますか?
実は、
【M.モゥブレィ】
ステインリムーバー
ですぐに拭き取ればいいのです。
ここでもステインリムーバーは
大活躍してくれます。
革靴のお手入れには
かかせないアイテムだということが
わかって頂けますでしょうか?
そして、靴ひもを通して出来上がりです!
キレイになりましたね!
で、ここで最後にもう一つだけ
あなたにテクニックをお伝えします。
これを覚えておくとあなたは
革靴通として周りの人からとても
尊敬されることになりますよ。
それはですね、靴ヒモの結び方です。
ちょっと、通常と違う結び目なのが
わかりますでしょうか?
今日の靴は女の子サイズの靴なので
靴ヒモの結び方もいつもと
変えてみました。
編み上げ部分はパラレルという
方法でヒモをあげてきて
結び目の部分は
【ベルルッティ結び】
という結び方です。
よく見ると結び目の所の
ヒモが二手に開いていますよね。
結び目と輪っかの部分で
キャンディの袋みたいに見えます。
この結び方をするといつもと同じ靴でも
ちょっとした表情の違いをだして
雰囲気を変えることができます。
女の子の靴をこのやり方で結んであげると
とてもカワイイです。
今の時期のパーティーシーズン、
クリスマスや忘年会か新年会で
みんなで集まってお酒を飲む機会も
多いと思います。
あなたに気になる女の子がいる場合は
お酒を飲んで彼女の警戒心が緩んでいる時に
その子の靴ヒモを可愛いく素敵に
センス良く結んであげましょう。
お酒を飲んで気分が良くなっている彼女は
きっとあなたの事を
「 優しい ・・・♡」
と、勘違いしてくれるはずです。
で、
ベルルッティ結びのベルルッティは、
フランスの有名な一流靴ブランド
「Berluti」の結び方からきています。
そして何よりも素晴らしい事には
こちらの結び方、
【まったくほどけない
靴ひもの結び方】
としても有名なのです。
「いつも、靴ひもがほどけて困る」
という方。
結び目の所は二手に開かなくても
結ぶことができます。
普通にチョウチョ結びの
ように見せることもできるので
困った時にはおすすめですよ。
この結び方はグーグルさんで検索すると
とてもわかりやすくご説明されている
サイト様がたくさんありますので
そちらを調べて参考にしてみて下さいね。
と、いうことで3回にわたって
お送りしてきました
【 革靴の磨き方 基本編 】
参考になりましたでしょうか?
あなたの靴のお手入れの
手助けになれば幸いです。
何かわからない事がありましたら
お店で店長青山までお気軽に
ご質問くださいね。
それではまた!
※ お勧め参考記事
第1回【Church’s】BURWOOD
をお手入れしてみた!
合わせてお読み頂くと
今回の革靴に対する理解が
より一層深まります。