固まったペネトレイトブラシを洗う方法

penetrate-wash

店長青山です、

革靴のお手入れをしていれば
必ずお世話になる道具の一つに

【ペネトレイトブラシ】

があります。

こちらのブラシを使うメリットに
ついては色々なサイト様も
紹介されているので、ご存知の方も
多い事かと思います。

しかし、

この【ペネトレイトブラシ本体】の
お手入れ方法や洗い方などは
解らないという方も多いのでは
ないでしょうか。

ですので、

今回はこの

【ペネトレイトブラシ本体】

を使用した後にどのように
手入れしていくのかを
お伝えしていきます。

今回は2通り

「ペネトレイトブラシを洗う方法」

と、それ以外に2種類

「固まったペネトレイトブラシを使う方法」

をお話ししていきます。

ペネトレイトブラシ使用後の状態

PENETRATE-BRUSH

で、

まずこのペネトレイトブラシですね。

これは靴クリームを直接ビンなどの
中からすくい取って、革靴のアッパー部分に
塗り広げていくための道具です。

何度か使用している内に毛先に残った
靴クリームが固まり、ガチガチになって
しまいます。

このままだとクリームが塗りづらいかと
思いますので、ちょっとだけ
手を加えて頂くと使いやすくなります。

が、

その前にここで一つ覚えて頂くと
お役に立つかな、と思う事が
ありますので先にお伝えしておきますね。

まずは本格的に洗う前に
出来る事もあるのです。

ペネトレイトブラシを洗う前に

【M.モゥブレィ】のシュークリームジャー
などもそうですが、乳化性クリームの中には
有機溶剤が含まれています。

溶剤とはクリームの中に入っている
ロウや油脂などの物質を溶かして
一つの液体状にする物ですね。

これによって中に入っている
ロウや油脂などの成分を
混じり合わせて一つのクリームと
している訳です。

で、

ここで少し話が飛びますが
会社の会議室などにある
ホワイトボードって解りますか?

要は小学校の教室で言う所の
「黒板」にあたるボードですよね。

このホワイトボードに文字を
書くためには、後でこすったら
消えるように専用のマーカーを
使用します。

しかし、

このホワイトボードに通常の
油性マジックで文字を書いたら
どうなるか?

ペンを間違えた事に気が付き、
慌ててイレーサーで一生懸命こすっても
全く文字が消えません。

その時に、この書いてしまった
油性マジックの文字を消す為の方法が
あるのです。

ホワイトボードにマジックで書いてしまったら

その方法とは何かというと
間違えて使用してしまったその
油性マジックで同じ所を書いてなぞる、
という事なのです。

そうするとどうなるか?

間違えてボードに書いた文字は
同じ成分のインクが上から
重なる事でもう一度溶け出します。

要は

同じ性質の物が重なると
先に固まった物も再び溶け出す

という事なのです。

なので、

油性マジックでなぞった直後、
先に書いた文字のインクが溶け出して
浮き上がった所をすかさず拭き取ると
消えなかった文字を取り除く事ができます。

ペネトレイトブラシのクリームが溶ける

このお話で一体何を
お伝えしたかったかというと

ペネトレイトブラシに
固まったクリームは
同じクリームを
使用する事で再び溶け出す

という事なんですね。

毛先に固まったクリームも同じ性質の
靴クリームが再び付く事によって
溶けだして柔らかくなるのです。

で、あるのならば
結局どうすれば良いのか?
と言う話なのですが実は

固まったブラシの毛先も
気にせずにそのままクリームを付けて
使えば
そのうち柔らかくなる

という事なんですね。

お手入れと言っておきながら
結局、何もしないでそのまま使う
という事です。

非常に乱暴なやり方のように
思えるかもしれません。

ですが、

原理を知っておく事はとても大切

です。

原理、原則さえ分かっていれば
お手入れの方法は自分で生み出す事が
できるようになります。

なので、

いろいろと後に役に立つ事が
あるかと思いますので是非、
覚えておいてください。

これがまず一つの方法として
「固まったペネトレイトブラシを使う方法」
です。

ブラシの毛先に水を少しだけつける

二つ目の
「固まったペネトレイトブラシを使う方法」
は毛先に少しだけ水を付けて
柔らかくする、という事です。

M.モゥブレィの乳化性クリーム
【シュークリームジャー】
は、染料を使って色を付けています。

染料というのは文字通り
革の内部に染み込んで
着色していく性質があります。

その為、染料は通常水に溶ける
性質を持っています。

ですので、

【M.モゥブレィ】シュークリームジャー
などの乳化性クリームは
水で洗うと落とす事ができるのです。

これも原理がわかっていれば
理解できるお手入れ方法だと思います。

PENETRATE-BRUSH

まず、

毛先が固まったペネトレイトブラシ、
これから革靴のお手入れに使用したい
靴クリームとその容器の蓋。

そして何でもいいので水を用意します。

やり方はとても簡単です。

PENETRATE-BRUSH-1

ステップ1

これから革靴のお手入れに使用する
クリームのビンを開けて
フタを置いておきます。

PENETRATE-BRUSH-2

PENETRATE-BRUSH-3

ステップ2

ペネトレイトブラシの毛先を
少しだけ水につけて濡らします。

PENETRATE-BRUSH-4

ステップ3

クリームのフタの上で円を描くように
ブラシをグルグルこすります。

水をなじませて毛先を
柔らかくしていきます。

以上です。

これだけで染料を使用した
乳化性の靴クリームであれば
毛先が柔らかくなります。

ペネトレイトブラシが
使いやすくなるでしょう。

用意した靴クリームを使用して
革靴のお手入れを開始して下さい。

ここで、

一つだけ注意点があります。

毛先に水分を付けて
柔らかくしていますので
その状態のままブラシを使用すると
クリームがべちゃべちゃになります。

そうなるのとせっかくバランス良く
水分、油分、ロウ分などを配合している
靴クリームの良さが活かされなく
なってしまうのです。

水に濡れたペネトレイトブラシは
ティッシュなどで水分を拭き取ってから
使用されるのが良いでしょう。

また、

水を容器に入れて用意するのが
面倒な場合があると思います。

その場合は最初から蓋の上に
数滴、水を垂らしておいて
そこで毛先をグルグルなじせると
とても簡単です。

水の量が多くなり過ぎないように
調整しながら試してみて下さい。

ペネトレイトブラシの洗い方

そして、

次は本格的に固まった
ペネトレイトブラシを綺麗にする方法を
お伝えしていきます。

まずは一つ目の方法です。

用意するものは

penetrate-wash

使い捨てにしてもいいタオル、
台所の食器洗い用の中性洗剤、
クリームで毛先の固まった
ペネトレイトブラシ、です。

ここには写っていませんが
容器の中にぬるま湯も
用意しておきます。

ステップ1

全体が濡れるぐらい
ぬるま湯にタオルをひたして
水分を含ませます。

ステップ2

食器用の中性洗剤を
濡れたタオルの上から
全体的にかけます。

PENETRATE-cloth

ステップ3

クリームの固まったペネトレイトブラシを
タオルにゴシゴシこすりつけます。

中性洗剤とぬるま湯が固まった
靴クリームを溶かしていきます。

ブラシをタオルにこする事で
柔らかくなった靴クリームが
布になすりつけられます。

タオルが溶け出したクリームを
吸い取ります。

ステップ4

ぬるま湯を張った容器の中で
ペネトレイトブラシの毛先を
洗って、洗剤の泡をよくすすぎます。

以上です。

【 洗う前 】

PENETRATE-BRUSH

【 洗った後 】

PENETRATEBRUSH

※こちらの手順に関しては
過去にご紹介した動画があります。

この記事の一番下に載せて
ありますので参考にしてみて下さい。

使用後のペネトレイトブラシの手入れ

そして、

もう一つのお手入れ方法です。

上に紹介した方法と考え方は
同じなのですが、ただ単純に台所などで
お湯を出して食器洗い用の洗剤で
毛先を洗う、というやり方です。

実はこれが一番シンプルで
最も効果的かも知れないですね。
じゃぶじゃぶ洗ってしまいましょう。

その際ですが、やはり何かにブラシを
こすりつけるようにしながら洗うと
固まったクリームが毛先から
そぎ落とされやすいです。

100円均一などでゴマすり用の
小さなすり鉢などを購入してきて
ペネトレイトブラシ洗い用専用にすると
ゴシゴシと器にこすりつけながら洗えます。

洗う前
PENETRATE-BRUSH

洗った後

ステインリムーバーでペネトレイトブラシを洗う

そして最後にオマケです。

ペネトレイトブラシをすぐに
手入れしたいけどお湯を用意したりするのが

「 正直言って面倒くさい!」

という、ぐうたらなあなたに
ぴったりの方法です。

用意するものはこちらです。

stain-remover

【M.モゥブレィ】
ステインリムーバー

と毛先の固まったペネトレイトブラシ。
そして容器を用意します。

penetrate-stain-remover

やり方はとても簡単です。

ステップ1

ステインリムーバーを毛先にかける。

penetrate-stain-remover-1

penetrate-stain-remover-2

penetrate-stain-remover-3

ダー、とかける。

penetrate-stain-remover-4

毛先のクリームが溶け出して
下に茶色く流れているのが
わかりますね。

penetrate-stain-remover-5

ステップ2

ステインリムーバーで毛先を
洗ったら、水でよくすすいで
キレイにリムーバーを流す。

以上です。

これはガチガチに固まった
クリームを毛先から流すための
方法です。

重要なのは終ったらブラシを
よくすすいで毛先に付いた
リムーバーの成分をきれいに
洗い流す事です。

そうでないと次に使用した時に
靴に付けるクリームの成分を
溶かす事になりかねません。

よく、塗料でペンキを使用して
ハケをそのままにしておくと
毛がガチガチに固まってしまって
どうにも使えなくなる事が
ありますね。

そのとき、シンナー系の溶剤で
刷毛を洗う事があると思いますが
今回行ったのはそんなイメージです。

参考にしてみて下さい。

と、

いう事でお伝えしてきました
ペネトレイトブラシ本体の手入れ方法
いかがだったでしょうか?

他にもペネトレイトブラシに
ついて詳しく記載した記事がありますので
そちらも参考にして頂ければ幸いです。

※ お勧め参考記事
☆【固まったペネトレイトブラシを今すぐ使う裏技】

☆【布ではなくペネトレイトブラシを使う4つの理由】

合わせてお読み頂くと
今回の革靴に対する理解が
より一層深まります。

それではまた!

動画