革靴の手入れをするメリットとは

店長青山です、

こちらのシリーズでは
今までに一度も靴磨きや
革靴の手入れを行ったことのない
【 超 初心者の方 】を対象に
様々な情報をお伝えしていこうと
思います。

既に一度でも革靴の手入れを
行ったことのある方、
もしくは新しい靴磨きのテクニックを
知りたいとお望みの方には
恐らく物足りないコンテンツと
なります。

あなたの貴重なお時間を
無駄にする事になりかねませんので
ご注意ください。

今回は

●そもそもなんで
革靴の手入れをする
必要があるのか?

●靴磨きのメリットとは何か?

についてお伝えしていきます。

靴磨きに関する具体的な
テクニックではなく
かなりマインドセット的な
内容となっています。

あなたがファッションに
関心を持っているのであれば
おしゃれをする時に起こる精神的、
感情的な心の働きの仕組みが
今回の話で解明される事でしょう。

ファッションに対する理解が
深まるきっかけになると
思います。

靴を履いて歩く最大のメリット

あなたが南国暮らしで
一日中素足で過ごしていない限り
恐らく日々の暮らしの中で
靴を着用していると思います。

現実的に考えてあなたが
靴を使用する最大の理由は

「 歩行の際に足を守る事 」

になるでしょう。

その他にどんな
理由があるにせよ

「足がズタズタに傷ついて
歩行が困難になるのを防ぐ事」

以上の目的は
存在しないと思います。

ですのでここでは

「歩行の際に靴を
履く事のメリット」

については言及しません。

あくまでも

「歩行を補助する道具として
靴を着用する」

という点においては
今回の話では前提条件です。

ここからは

「歩行の道具である革靴を
磨いたり手入れしたりする
メリット・利点」

について述べていきます。

お洒落は一体誰のもの?

whoes-fashion
それではまず先にあなたが
お洒落やファッションに
興味を持ち、より良い品を
手に入れたいと望む動機は
どこから来ているのか
考えたいと思います。

これは

「洋服が好き、お洒落が好き!
ファッションが大好き!」

という人でもあまり
意識した事が無い
考え方かもしれません。

「あなたがオシャレをするのは
一体何が目的なのか?」

という事です。

これを理解する事で
革靴を磨いたり、手入れしたり
する目的やメリットが
おのずと理解できます。

実を言うとこれには
おおまかに2つの理由があります。

一つは

「自分が満足するため」

もう一つは

「人に良く思われたいため」

この二つです。

【内的評価】か?
【外的評価】か?

人間の行動のモチベーションと
なる感覚には様々なものがあります。

カテゴリーを分けると
色々と出てくるのですが
その中の分類の一つに

「内的評価」と「外的評価」

というものが存在します。

これは人間の性格の中で
物事のとらえ方を
2つの考えで分けたものです。

「内的評価」の人の基準

「内的評価」とは物事の
価値を自分自身の感覚を
主体に決定する、という
とらえ方です。

価値観の基準や物差しが
自分自身の中にあります。

ですので
物事の満足度合いや
達成感を自分で判断
できます。

自分自身が気に入って
満足できれば、周りの人の
評価や価値観は関係ありません。

例えば、一足の革靴を
購入するとしましょう。

内的評価の人の基準は

「履いていて気持ちがいいか」

「自分が気に入るデザインか」

「自分が好きな
ブランドであるか」

「値段は自分の求めている
価値に対して適切か」

などが相当します。

乱暴に一言で言うと

「自分が良ければそれでいい」

という価値観です。

自分が満足できるかどうかが
重要な判断基準になります。

「外的評価」の人の基準

それに対して「外的評価」
とは物事の価値を自分以外の
他人の評価を基準に決定する、と
いうとらえ方です。

価値観の基準や物差しが
他人の評価や世間が求める
条件の中にあります。

ですので
物事の達成度や価値の大きさは
自らの意思に関係なく
他人の意見で決まります。

他の人が判断した評価に
沿って、自分の価値の基準も
変化するため同じ結果に対しても
満足の度合いは流動的です。

例えば、一足の革靴を
購入するとしましょう。

外的評価の人の基準は

「履いていると人から
良く見られるか」

「他人に評価されている
デザインか」

「世間的に認められている
ブランドであるか」

「価格は一般的な標準に対して
適切なものであるか」

などが相当します。

乱暴に一言で言うと

「他人に認められる事が全て」

という価値観です。

他人にどう思われるかどうかが
重要な判断基準となります。

「内的評価」
「外的評価」の

メリット・デメリット

内的評価のメリット

「内的評価」が価値観の人の
メリットは基準や物差しが
自分の中にあるので
軸がぶれないという事です。

自分の意思で物事の評価を
決定できるので条件を
満たす事により、達成感や
幸福感を得る事ができます。

幸せであるかどうかを
自分の意志で
コントロールしやすい

という特徴があります。

内的評価のデメリット

半面、価値観の基準や
満足する条件が世間一般の
常識からかけ離れるほど高いと
どれほどの結果を出しても
絶えず不足を感じて
しまいます。

周りの人からすれば既に
充分過ぎるほど痩せているのに
「まだまだ自分は太っている」
と、とらえていると死ぬまで
ダイエットをする事になります。

また、

あまりにも常識からズレた
価値観で満足していると
社会的な存在として
生きていけません。

自分さえ良ければそれでいい、
という感覚だけで社会に関わると
周りから認められずに
孤立してしまいます。

お気入りのスタイルだから
それで良い!と言って、
親戚のお葬式に上半身裸で
革のベストを羽織り
ヒョウ柄の短パンとゴールドの
スニーカーで参列すると
人間関係は破綻します。

社会という人と人の
つながりの中で
生きていけなくなるのです。

外的評価のメリット

「外的評価」の価値観を持つ
人のメリットは基準や物差しが
他人の評価の中にあるので
社会的に認められやすい点です。

周りの状況に合わせて
求められる価値観をとらえ
その基準を満たす事が
できるので、臨機応変に
調和する事ができます。

状況によって様々な価値癌が
存在する社会において
周りから評価を得られやすい

という特徴があります。

外的評価のデメリット

半面、外的評価の人の基準は
他人の評価の中にあるので
自分の意志で幸せを決定する事が
できません。

自分自身ではすごく
気に入っていて、とても
良いと感じていた事で
あったとしても、他人から
認められないとそれだけで
全ての価値を失います。

他人が持つ価値観は
自分の意志で決定する事が
できないので、満足の
達成度合いを自分では
コントロールする事が
できないのです。

そして外的評価において
もっとも精神的に苦しい点は

「他人と比較してしまう」

という事です。

他人と比較するので
優劣を気にしたり
競争しやすくなります。

また、
自分の中に軸が無い分、
状況に流されやすく
いつまでたっても
確立した価値観を
構築できません。

己を持っていないので
自信を無くしやすく
スタイルを見失いがちです。

「内的評価」「外的評価」
から見た相手の価値観

内的評価の人は自分の
価値観を持っているので
外的評価の人をみると
軸がぶれて周りに流されている、
情けない人のように思えます。

他人の意見をうかがって
見てくればかり気にしては

「 お洒落はガマン!」

とか言う、外的評価の人の
価値観が理解できません。

「こんなにクソ寒いのに
なんであんなに薄着なの?

お洒落とか言っても
寒かったら意味ないし。

実際、鳥肌立ってるじゃん?
馬鹿なの?」

と感じます。

でも、

「人は人。自分は自分。」

と思っているので
特に気にしたり、
相手に対して口出しを
したりはしません。

しかし、

外的評価の人は自分が周りの
意見に左右される分、
周りの他人の価値観にも
口を出したがります。

内的評価の人はそれが
どうにも許せません。

「こっちはお前の価値観に対して
何も干渉しないのだから
ごちゃごちゃとうるさく
口出しするな!

自分の事だけ気にしてろ!
こっち見んじゃねぇ!
消えろ!」

と、逆鱗に触られたように
感情が乱されます。

逆に

外的評価の人
自分の事しか考えず
周りの価値観を理解しようと
しない内的評価の人が
理解できません。

どんな状況になっても
いつも自分のスタイルで満足して
周りからダサいと思われても
気にしていない相手に
イライラします。

外的評価の人は周りの人間の
評価に対して敏感なので
その場の雰囲気に合っていない
内的評価の人間を
注意したくなります。

「 何であんな
ダサイ格好してるの?

ボーダーにチェックの
シャツ合わせるとか
意味わかんないし!

見てるこっちの方が
恥ずかし過ぎて
痛いんだけど。」

と思います。

そして、

周りの評価を参考にして
自分自身を変えるべき、
という価値観で相手に対して
アドバイスを与えます。

しかし内的評価の人は
他人の意見を聞く必要性を
感じていませんからせっかくの
アドバイスも迷惑だと感じて
嫌がります。

外的評価の人は
親切に教えてあげているのに
それをないがしろにする
内的評価の人間を許せません。

「せっかくこっちは親切で
教えてあげているのに
相手の気持ちも考えないなんて
マジで最悪。

周りの評判も知らないくせに
毎日同じような服ばかり
着ちゃって、ほんとキモイ。

一緒にいるとこっちが
恥ずかしいから
あっち行ってよ、早く!!」

と思います。

全ての人の中にある感覚

このように聞くと自分はいったい
どちらのタイプなのだろうと
考えられると、思います。

しかし、

内的評価、外的評価ともに
全ての人の中にある感覚です。

ある時は内的評価だけど
違った場面では外的評価に
なったりします。

時と場合によって
この感覚は常に変わるのです。

ただ、

どちらかのタイプが
性格的に強く出る、という事が
あると思います。

自分自身は普段、
どちらのタイプが強く出るのか
考えてみて下さい。

靴磨き・革靴の手入れの目的

これらの事を踏まえたうえで
靴磨き・革靴の手入れをする
目的を考えてみましょう。

靴を綺麗にして革の
コンディションを整える事には
靴を長持ちさせるという
効果があります。

一足の靴を長い期間、履く事が
できればコストパフォーマンスが
良くなります。

金銭的な面から言っても
自分自身にとって
メリットとなる事でしょう。

また、きれいな靴を履いている
事によって周りの人から
良く思われるという効果が
あります。

社会的にみても
キレイな靴を履いている
人はきちんとした人間と
みなされる傾向があります。

身だしなみをきちんと
整えてこぎれいにしている事は
外的評価の人にとっても
意義のある事です。

また、靴を磨く行為
その事自体に喜びを
感じる方もいます。

靴磨きが趣味、といった
人達です。

この方達にとっては
革靴を手入れして綺麗にする
という行為が楽しいので
自分自身で満足条件を
満たす事ができます。

内的評価の方にとっても
意義のある行動となるでしょう。

内的評価の方にとっては
キレイな靴を履く事によって
自尊心も高まりますので
一石二鳥です。

革靴を綺麗にするたくさんのメリット

このように考えてみると
靴磨き・革靴の手入れをする
行為にはメリットが多い事に
気が付きます。

革靴が長持ちして
コストパフォーマンスが良くなる
という、物理的なメリット。

キレイで気持ちよい状態の靴を
履く事で自尊心を高め
満足感を得られる、という
内的評価を満たすメリット。

周りの人から好ましい評価を
受け取り、社会的にも
良いとされる外的評価を
上げるメリット。

このように物理的、
心理的にも多くの長所があります。

是非、あなたも自分で簡単にできる
お手入れや靴磨きから取り組んでみて下さい。

それではまた!

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